表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜舞う少女が吹奏楽部に入部したら… 全国優勝してしまった話  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
第1章『桜舞う新天地(桜舞う新たな音色)』
14/66

第13話「絆が試される日」




全国大会の予選まであとわずか。

吹奏楽部の練習は毎日熱を帯び、部員たちの表情にも覚悟がにじんでいた。


しかし、その一方で、部内には微妙な亀裂が生まれ始めていた。


霧島颯太の持ち込んだ新しい練習方法は、確かに技術を向上させていた。

だが、やはり全員がすんなり受け入れたわけではなかった。


「俺はもっと自由に演奏したいんだ!」

数人の部員が声を荒げ、部室の空気はピリピリと張り詰めていく。


佐倉梨奈はその間に立ち、何とかみんなをまとめようと奮闘していた。

だが、自分自身の不安も隠せずにいた。


そんなある日、顧問の菜々緒先生から緊急の呼び出しがかかる。


「梨奈ちゃん、ちょっと話があるの」


廊下の隅で二人きりになった瞬間、菜々緒先生は真剣な表情で言った。


「あなたたち、仲間のことを信じてる? 心が離れたら、音楽は一つになれないわ」


梨奈は強くうなずく。

「信じてます。だからこそ、みんなの気持ちをひとつにしたいんです」


その日の夜、梨奈は一人で校庭に出て、深呼吸をした。


「絆が試される時なんだ……私たちは負けられない」


翌日の練習で、梨奈は部員全員を前に話し始めた。


「みんな、私はあなたたちのことを信じてる。だから、みんなもお互いを信じてほしい。違いがあっても、それを尊重し合えるチームでいたい」


その言葉に、部員たちの表情が少しずつ柔らかくなっていった。


颯太もまた、自分の考えを改めて伝えた。


「俺も……今はまだ不器用だけど、みんなと歩んでいきたい」


その日、吹奏楽部はひとつの大きな壁を乗り越えたのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ