Metamorphose
もっと多くの方々が近づきやすい『フラットフォーム』でも活動を並行していきたいと思い、
無理を承知の上で小説家になろうとの並行を決めました。
約束は必ず守るので見守ってもらえると嬉しいです。
「未知の扉を叩いて神秘を渇望する知識の航海者よ汝らの話は
ここで終わらないだろう。君が書いてきた話は一握りの
ほこりよりは価値があるように消えるだろう。」
2015年9月 20日 午前 12時 判 灰色地代 悟の事務室
式の内側に入る3時前
厳粛に固まっている雰囲気の中の淝水は黙々と
瀕死状態に陥っている式を起こすための準備を終えて術式を
詠昌を始めようとした瞬間だった。そばでその姿を見守っていた悟は嫌な予感、
「ロジック・アトリエ」の計算に一瞬かかった決して起きてはならない
未来に対する確信を感じた。
悟の空気が変わったことに気付いた杏は、静かに悟に近づいて
「顔色、悪ね。そういえば昨日から一睡もしなかったでしょう?
やっと始まったばかりだから、3時間くらいは目をつけてもいいんじゃないかな?」
「休められるもんならなぁ。どうやらそうもいかないようでな。
ま、大丈夫だろう。ちょっと出かけてくるから二人を頼む。」
悟のそのような姿を見て、杏は少し悩んでいるようだったが、
ただでさえ色んなことを背負っている悟りに余計な心配をかけたくないし、
いつものように笑いながら冗談を混ぜ応えたが。
返ってくる悟の鋭い目つきに事態の慎重]さを思い出した。
「ああ、任せろ。つうか、あの二人のことだしいざという時には
俺の出番はほとんどなくないかな?はい~はい。分かってるよ。そう睨むな。」
出かける準備を終えて悟は杏にアリアが腹立ちまぎれに
出て行った]裏門]の]階段]に彼がいるか見てほしいと頼んだ。
悟に頼まれ裏門の階段を見回ったが、アリアの気配はすでに近くでは
感じられなかった。 その話を聞いた悟は急いで足を運んだ。
【タッタッタッ】
事務室の門の前の廊下]の向こうから誰かが走ってくる音が聞こえた。
まるでその誰かを待っているように、悟はタイミングを合わせて
門を開けて出た。悟を見るやいなや足に力が抜けて転んでしまった誰かの目的を
知っているかのようちょっと眺めて、何も無かったよう淡々と通り過ぎた。
「おい!無視すんな!早瀬!」見事に転んでしまった彼の名前は白鯨勇魚。
海原六花が最も信頼する彼女の仲間である。
1時間前まで ウィンダーランド事務所 の拠点がいる場所でもある
灰色地代を個人事情で離れていた。彼は今、答えを求めて
悟に会いに来たのであった。
「うるさい、用なら知っている。六花のことだろう?そいつのせいで俺も今頭が痛い。
ついてくるならさっさと来い。うちのメンバーの中にはお前を死ぬほど憎んでいる
やつもいるから。場所を移すぞ。」
悟は酷く疲れているように見えたが、勇魚に会う事を知ってたよう
自然に彼を連れとして誘った。
「それくらいの自覚はあるんだよ。それで、色々聞きたいんだが
ここでいったう何があった。お前が守る街じゃーねかよ。
ただ事じゃなきゃこうもならないだろう。」
勇魚の言動には何かを危惧するように震える声が漂っていた。
わずか数時間前までは灰色地帯全体を覆っていた〔白い王〕の暴挙と、
その中心で対峙した状況を思い出した悟は軽く息を吐いた後
「何を心配したのか分からないが、街の崩壊の原因は六花ではない。
これがお前が聞きたがっていたこたえだろう。でも、知らんよ。今
もしかしたら、さっきの〔あいつ〕より派手な
結果がうみだされるかも。」
「〔白い王〕⁈まさか、百鬼夜行が...。
ちょ...おい!うちのリーダーを一体何だと思ってんだ!」
想像以上の大物の言及に驚いたように見えた勇魚だったが、六花が似た
ようなことをやらかしているかも知らないだろうという推論が出てきた
途端やいなや弁護に乗り出した。
「そこまで言うなら自分の目で確かめろ。」
とある廃墟に着いた瞬間、悟は見えない壁を振り払って手を3回叩いた。
最初の音の後、〔羽〕から派遣されたはずの監視役で
ある悟の職員である二人が転移された。2番目の音後、の周りが熱くなってくる
実感がした。最後の音が止んだ後、恐らくその場に張られていた結界は消えていた。
外からは気づくことも出来なかった中の景色を認識することができた。
そこには互いに殺そうと殺気を吐き出しているアリアと六花の姿があった。
アリアと六花の衝突によって周辺はすでに廃墟 になっていた。
二人とも渾身を尽くして互いに対する殺意でやっと立っている
ボロボロな姿だった。
「二度同じ事は言わね。今は現場の収拾と2人の身柄確保、
巻き込まれた人達の保護が優先だ。 勇魚、周囲を取り囲む炎を取り除けば、
六花を落ち着かせ。 私はあの髪に青筋が乾いていない幼いやつを落ち着かせるから。
うしろの、二人!結界でも張っていろ。ここの辺りは魔力が不安定だから
しっかりしろ。」
その次の瞬間、奇跡でも起きたかのように、飲み込まれてしまいそうな
炎が消え、2人が再び激突する直前、その地点に悟が突然現れた。
「そこまでだ。馬鹿ども。」
すでに体力と魔力を使い果ててした2人では悟の言令と
一緒に戦闘に対する強迫が解けて倒れた。
離れて結界を張って巻き込まれた人たちを探して救いながら様子を
見ていたテレサとミカエルとしては一瞬、目を瞬いた瞬間、状況はおわっていた。
2015年9月 20日 午後 1時 灰色地代 大使館の応接室
一方、気を失って倒れた侯爵は式と似た瀕死状態を
体験していた。一度も見たことのない内面をさまよっている時、
突然悟の声が聞こえてきた。それはおそらく記憶の一部のようだった。
「存在意義そのものを生半可に触って
本質が損なわれてしまったら、取り返しがつかないだろうが、〔羽〕がたかが
研究のために〔輪〕の重役に触れるリスクを背負うことはないだろう。
多分、原因が分かり出せば、不可能なんてあるもんか。 私を使おうとするなら、
最低限の意味くらいわきまえろ。魔術も魔法も結局因果の法則に準ずる作用だ。
奇跡なんて祈るだけの者に訪れる都合のいい言葉じゃないってことよ。」
その言葉が込められている記憶から侯爵は自らに与えていた制約のせいか
自ら仮死状態をしていた意識を自ら体に呼び戻した。
少し前までは死んでいた侯爵が凍りつく姿に横で本を読んでいて眠ったのか、
本で顔を隠して半分ほど横になっているように足を伸ばして座っている伯爵は
そっと侯爵の姿をにらみ、安心したように息を吐き出してそのまま再び眠るための
姿勢を取っているようだった。
ついさっきは死にかけていた侯爵が凍りつく姿に横で本を読んで寝たのか、
本に顔を覆って半分横になっているように足を伸ばして座っている伯爵は、
そっと侯爵の姿をにらみながら安心したように息を吐きながら
そのまま再び眠るために寝返りを繰り替えして
気にくわなかったのか、起きた。
神作はダービットが倒れている間、上層部に苦しめられ精神的に
へとへとになっているようだった。 そんな彼にダービットの
ややおかしいように見える状態が心配だったが、この時期での'〔白衣王〕の
異常な動き'、侯爵ともあろうお者がの単独決定で〔議会〕に
置いて警戒対象である悟に協力要請をするほど彼を動かした'彼の秘密'、
隠居した魔法使いが姿を現す'ほどの事案'…。
いきなりダービットが不安そうに口を開けて無数の情報を吐き出した。
その中で聞き取れるのは「間違っていない」、「必ずやり遂げられる」、
「今すぐ」「悟に」くらいだった。狂気に魅せられて自意識の区分を
失ったような彼の姿はとても可哀相だった。
頭の中に浮かぶ質問に答えを持っている人もまた、悟であることを神作は
彼との長い縁で知っていたため、自分の体を支えられないダービッドのすぐにでも
崩れ落ちそうな体を支え、大使館内の彼の寝室から出た。
2015年9月 20日 午前 1時20分 灰色地代 廃墟
気力を尽くして倒れたアリアは脱力したようにやっと意識だけが
半透明にあるようだった。しかし、アリアとの戦闘で彼の能力によって制約を受け
力の半分も出せなかった六花はすぐに生き生きとした姿に戻った。悟はそんな2人を前で
説教をしている最中だった。
「どうしたんだ、悟? 自信満々だったのにしちゃー、結局できるのは
言葉だけか。」六花の挑発にも関わらず
悟はアリアと六花に出来ている傷を見つめながら物思いにふけったように
口を開かずただ狙っているだけだ。 その目つきはまるで冬の日の
霜が降り出したの木の枝のように冷たかった。
'〔羽〕の神官の中で神の名を借りることで力を駆使する代行者は、
全能は基本的にほとんどの魔術のカウンターとして作用する。'
' それ故、信仰の大きさが自身の力の範囲になる彼らの資質の基本的な構造上
信仰の代価として奇跡を振るうことが可能になる。'
'そう言う面でアリアの戦法は正しかった。 おそらく、ずっと同等の条件で
追い込んでいくために、お互いを消耗させるための方法を選んだのだろう、
相手がそれほど優れた者でなかったら、必勝につながるかもしれないが…
今回に限っては相手が悪かっただけか。'
'だとしてもいくら、海原だとしても全能の塊でもある聖遺物を使うアリアの
相手をして平気なのは明らかに不自然だな。特にこの状況から見ると
恐らく制約によって追い詰められたのはアリアのほうだったか。
試す価値はあるか。'
六花と悟の神経戦に続く息詰まる緊張感の中、先に動き出したのは六花だった。
正確に語ると火が揺れると言うより、陽炎のように、空間が熱くなってしばらく
揺れるように見えたら、六花の指先から閃光が噴き出し、発射された
極限に圧縮された魔力の塊は悟の耳元をかすめた。
ものすごい熱を持った何かが光のような速度で撃たれた。 指先から発射された
魔弾の大きさは明らかに小さかったが、その理解を超える速さによって発生した
巨大な圧力を伴う風はそれだけで爆発的な威力があった。
「うん~反応が薄いではないか、それではもう少しテンポを上げてみようか。
幕はすでに上がった、それでは戦喜を固めてみようではないか
それとも、ここでおぬしと殺し合うのもさざ楽しいであろう。
な、早瀬悟よ 〔浪漫〕と言う言葉を知っているかな、とくとご覧になれ。」
『それは火の形・それは魂で出来ている永遠の花・人の魂は焔のごとく死線を描いて消耗する・より激しく・己を忘れるまで・身の底から生み出された生命の火花よ、
舞え・舞え・舞え・舞え・舞え』
「ああ…この限りなく燃える炎を見たまえ、こんなにロマンチックで
あるではないか。どこまでも美しく、存在しない『理想を追求する』
それもまたロマンであろう。 変化し続け、自分に対する真実を隠すことで光を
放つこの力こそ、真の星の具現ではないか」
[続く]
2021年11月からpixiv小説で活動始めたナメクジと申します。 以前から小説家になろうで活動することを考えていたのですが、アトリエ環境を見直しながら併行することになりました。
いよいよデビューから1年が近づいています。
そしてアルバンソサイエティ&ディプシー_ファストシーズンがいよいよエピログまで
公開され終わりました。
これからもよろしくお願いします。
完全に並行が可能に慣れるまでは時間が少しかかると思いますが、多くの方々に私が製作するコンテンツを楽しんでもらいたいと思っております。