突然すぎる総会
「……どうも……。じゃ、あとは五階の……」
そのとき、ソウイチのいる方向からLINE通知の音がした。
「五階役員だ」
「は!?」
「若干ひきこもり傾向でな。最後に会ったのはたしか半年前だ」
「役員なのに!?」
それじゃあ出てこないんじゃないか。サボってるんじゃないか。テツヤはそう批判しようとしたが、それより先に、ソウイチがメッセージを読み上げた。
「えー、『四階役員さん、今度LINEID教えてください。日吾アキラ』お前にだな。一応欠席の連絡も含めてある」
「なんで俺のこと知ってるんだよ! 怖いな!!」
ミナもルミもヤヨイも知らなかったのに。テツヤは震えた。
「五階のおにーちゃんはものしりさんなの」
「ものしりさんなのー」
「いやこれ物知りってレベル? しかもLINEID聞かれたよ俺!」
混乱するテツヤをよそに、ソウイチはデスクに資料を広げた。
「よし、すこし早いが始めるぞ」
ミナとルミ、それからヤヨイは、それぞれ右と左にわかれた。それがいつものスタイルであるらしかったが、テツヤだけは、どこにいたらいいのかわからず、所在なさげにうろうろとしていた。
「まず二階。前回総会のときに話の出ていた、五号室の放置ゴミはどうなった?」
聞かれたヤヨイがうれしそうに報告する。
「三号室のオバチャンにこっそりチクってみたんだよね。すっごいの。次の日さっそくオバチャンが五号室の奴インターホン責めだよ」
ミナとルミがうわーという顔をする。
テツヤは不可解だった。なぜヤヨイがそんなことをしたのか。
「五号室が我慢しきれずにドア開けたら、もうこっちのもんってやつよ。オバチャンそれから七時間そこに居座って説教かましたらしくてさ」
ははんなるほどとソウイチはうなずいた。
「昨日五号室が引っ越したいんですと言ってきた理由はそれか」
そりゃあそうだろう、テツヤは五号室住人に同情して「ウワア」とため息を漏らした。
「なんだ引っ越すの? 根性ないねェ」
「仕方ないから二万円の部屋紹介しておいた」
テツヤは今日のことを瞬時に思い出す。
「あの三畳一間の!?」
「うちで駄目ならどこ住んでも駄目だぞあの手合いは」
「そうかあ……!?」
「さて次だ。三階は最近どうだ?」
ミナとルミはふたりそろって「ふつうー」と言ったが、ルミのほうが何かを思い出したらしく、「おねえちゃん」とミナの腰をちょんちょんつついた。
「あ、そっか。あのね、おじ……おにーさん」
若干うれしそうに「うむ、どうした?」と相手するソウイチに、テツヤは「ケッ」とつぶやく。だがちょうどそばにいたヤヨイから「まあまあ」とすごまれて、黙った。
「三階のポストがね、きょう、あふれてたの」
ポスト……? テツヤは訳がわからなくてソウイチを見た。




