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少年たちのように-8

 ふらふらと野球部のグラウンドの横を歩くと、江川がピッチング練習をしていた。涼子は、興味を持って足を止め、周りで見ていた女子の群れに混じって見つめていた。江川は一心不乱にボールを投げ込んでいる。汗を滴らせて、顔を紅潮させて、ただ黙々とボールを投げ込んでいる。涼子は目を奪われて眺めていた。横でもう一人の男子が同じように淡々と投球練習をしている。その光景があまりにもドラマじみていて、ただ目を奪われた。ふーん、と感心していると、江川は空を仰いでひと息ついた。それを見て涼子は声を掛けた。

「やっほぉ、江川君」涼子

 金網越しに手を振る涼子に気づいて江川は少し手を振って応えた。そして、またキャッチャーの方に向き直るとボールを投げ始めた。涼子は拍子抜けした気分だったが、周りの視線に気づいて緊張した。いつの間にか周りにいた女子の視線が涼子に向けられていた。それは冷たく射るような視線だった。何だよ、こいつら、と思いながら涼子はその場を後にした。

 ―――今日はどこにいこうか。

 そう思案しながらふらふらと学校を出て行った。


 帰宅途中の学生で満員のファストフードの店で、いつものように、涼子はユキとだべっていた。あざみは家庭教師の来る日だったので、放課後すぐに帰宅した。カナもイズミも他に用があって来ていない。二人っきりで話す話題も尽きて、ぼんやりと外を眺めていた。ユキも退屈そうにストローをくわえている。涼子は、流れる人をぼんやりと、映画の画面のように眺めていた。

「ね、リョーコ」ユキ

不意にユキが話し掛けた。

「なに?」涼子

「今日、何か用事ある?」ユキ


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