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少年たちのように-2

 狭間東銀座はいつもと同じように大勢の人間が行き交っていた。涼子は、約束を忘れたかのようにゆっくりと歩きながら、その辺りの店を覗き込んでいた。あざみもつられて、はしゃぎながら冷やかして回った。

 人波の途切れを縫って歩いて、ようやくファストフードの店に辿り着いた。ウィンド越しに店の中を覗くと、中程の席にユキたちが陣取っていた。それを二人で確認すると、つかつかと入っていった。

 大きく手を振るあざみにユキは気づいて手を振り返した。

「遅いじゃないの、あざみ」ユキ

「ごめんごめん。ちょっと、今日はリョーコがブルー入ってて」あざみ

あざみが悪戯っぽく涼子を見ながらそう言った。涼子は相変わらず表情を変えず、まあね、という風を装いながら頷いた。

「リョーコ、どうしたの?」ユキ

仲間のカナが心配そうに涼子に訊ねた。涼子は、ちょっとね、とだけ答えてイスに座った。

「この調子なのよ」あざみ

あざみが呆れたように言うと、ユキは、涼子の様子を伺いながらストローでアイスコーヒーを飲んだ。それから、ゆっくりと言った。

「まぁ、いいわよ。景気づけにさ、今日はパァっといきましょう」ユキ

「どこ行くの?」あざみ

「今日ね、ミユキさんが、パーティにつれてってくれるんだって」ユキ

「え、ホント?でも、それって、ヤバくないの?」あざみ

「ダイジョーブよ」ユキ

「相手は、高校生?それとも大学生?」あざみ

「知らないわ。行ったらわかるじゃない」ユキ

あっけらかんと答えるユキにあざみは少し気後れして、涼子を見た。涼子は特に動じることもなくユキを見ていた。

「行く?リョーコ?」あざみ

一呼吸おいて涼子は応えた。

「いいよ、行っても」涼子

表情をまったく変えずに応える涼子を見てあざみも頷いた。

「じゃあ、ちょっと待ってよ。連絡取るから」ユキ

ユキはスマホを取り出し、ミユキに掛けた。うん、そう、二人増えたけどいい、と快活な声が響き、数回頷くと涼子たちにOKサインを見せた。

「じゃあ、よろしくお願いしまぁす」ユキ

ユキは電話を切って、二人にまたOKのポーズを取った。

「大丈夫だって。どうせ男もちだから、タダだし」ユキ

「それで、相手は?」あざみ

「あ、訊くの忘れた。いいじゃない、そんなの。ね、リョーコ」ユキ

涼子はよそ見をしながら頷いた。


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