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少年たちのように-17

 いつもより早く学校に着いた涼子は、教室に行かずぶらぶらと野球部グラウンドへ行った。誰もいないだろうと思って来たそこには、何人かの選手が練習していた。きょろきょろして探すと、やはり江川の姿があった。涼子は、期待した答えが見つかった気分で江川がストレッチしている外野の方へ回った。

 外野席に入って、江川のいるセンター付近に近づいた。江川はもう随分練習していたようで、最後の整理体操に入っていた。そして、涼子の姿を見ると手を振ってくれた。涼子は意外な出来事に一瞬たじろいだが、手を振って返した。

「やぁ、おはよう」

「おはよ。早いね。何時に来てるの」涼子

「今日は七時半くらいだよ」

「一時間くらい練習してたのね」涼子

「まあね」

「あのさ、訊きたいことがあるんだけどさ」涼子

「なに?」

「野球って、そんなに面白いの?」涼子

「なんだ、そんなことか。面白いよ、少なくとも俺には」

「どこが?」涼子

「どこがって、うまく言えないけど」

「そ…そうだね…」涼子

涼子は江川の顔を見ながら黙り込んだ。

「朝霧さんは、クラブは?」

「やってない」涼子

「やればいいのに」

「いまから?」涼子

「まだ二年になったばかりじゃない。まだできるよ」

「ん、そうだね」涼子

涼子は気休めだとしてもそう言ってくれたことが嬉しかった。

「あのさ、江川君」涼子

「なに?」

「今度、ちょっと相談に乗ってくんない」涼子

「俺?」

「そう」涼子

「俺でいいの?」

「江川君のほうがいいんだ」涼子

「まぁ、いいけど」

「じゃ、約束ね。いつなら大丈夫?」涼子

「いつでも、いいけど…、じゃあ、今日の昼休みに、ここで」

「ここ?外野席?」涼子

「ん。昼は練習ないから」

「ありがと、それでいいわ。じゃあね」涼子


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