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少年たちのように-13

 高くなった太陽が朝の日差しを照らす下を、学生たちは学校へ急ぐ。その中を涼子はのんびりと歩いていた。追い抜いていく生徒たちにむしろ呆れていた。

 ―――もう学校は目の前なのに、どうしていそぐんだろう。

 そう思っていると、始業のチャイムが鳴った。あぁ、そういうことか、と納得しながらも涼子は歩みを早めるわけでもなく、駆けていく周りの生徒たちを眺めていた。

 教室に入ると、もうホームルームは始まっていた。遅れました、すいません、とだけ呟いて席に着いた。特に咎められることもなく、ホームルームは終わり、担任の桜井先生が出ていくと、あざみは涼子に話し掛けようと席を立った。しかし、入れ代わりに一時間目の緑川先生が入ってきた。あざみは、慌てて自席に戻って、教科書を取り出した。

 弁当を食べ終わって走り回っている男子の騒ぐ教室の窓際で、あざみは勿体ぶった口調で昨日の日曜の出来事を話し出した。

「ね、昨日、ユキ、すごかったんだよ」あざみ

「なにが?」涼子

「あのね」とあざみは話したい気持ちを抑えながら話し出した。

 昨日、涼子は気分が乗らなかったので、ユキの誘いにも応えず家で寝ていた。あざみは、ユキとイズミと待ち合わせて狭間東銀座へ遊びに行った。

「昨日ね、ユキ、ブランドもののバッグ持ってたの」あざみ

涼子は、ふーんと応えただけで、それがあざみには物足りなかったらしかった。

「プラダよ、プラダ。それに、服だって、おしゃれしててさ、高校生みたいだったわ」あざみ

「プラダってなんだっけ」涼子

「ブランドよ、知らないの、リョーコちゃん。勉強しなさいよ」あざみ

「やだよ、アタシ勉強は。ガッコのも、そんなよけいなのも」涼子

「でも、女の子の憧れよ。プラダ、シャネルなんて」あざみ

「だけどさぁ、どうして、そんなの持ってたの?」涼子

「もらったんだって。プ・レ・セ・ン・ト」あざみ

「誰から?」涼子

「カレシに決まってるじゃない」あざみ

「会ったの?」涼子

「んん、そうじゃないけど。ユキも、そうじゃないなんて言ってるけど、絶対カレシよ。でなきゃ、そんなのもらえないわ」あざみ

「でも、高いんでしょ、ソレ」涼子

「あったりまえでしょ」あざみ

「そんなの中学生に買える訳ないわよね。高校生?」涼子

「みたい」あざみ

「高校生に買えるの?」涼子

「結構なお金持ちだってことよ」あざみ

涼子は呆れた気分で教室の中に目線を移した。そこでは、男子の一人がモデルガンを撃つ真似をしながら嬌声を上げていた。

「…お金って、そんなにもらえるのかな?」涼子

「え?」あざみ

「だからぁ、そんな高いものプレゼントできるくらい、小遣いもらえるものなのかなって、思っただけ」涼子

「だから、お金持ちなのよ」あざみ

 あざみは昨日の出来事を次々に話していく。ウィンドゥショッピングしてる時にナンパされたとか、そのまま喫茶店に行って奢ってもらったとか、自分たちが中学生だと言ったときの相手の反応が面白かったとか、楽しそうに話し続けた。


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