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希望のカケラ  作者: 風白狼
1章 選ばれし者
4/20

4.運命を背負いし者

「…いいか、最初から言うぞ」

 恭一にどこかの喫茶店へと連れてこられたニコは、恭一の話を聞いていた。

「さっき現れた怪物は、“ザイノーア”と呼ばれている。とても強くて、普通の人間では歯向かえないし、一般的な武器ではダメージを与えられない。だが、唯一ザイノーアを倒す事ができるのが、魔武具“ウェポン”と呼ばれる特殊な武器なんだ。俺の雷神華(らいじんか)魔武具(ウェポン)の一種だ」

 そう言って、恭一は爪のような武器を取り出して見せた。五指全てに指の2倍以上ある長さの刃が付いており、それら全てに雷が宿っていた。恭一は一度雷神華をしまうと、ニコの剣を指さした。

「そして、お前の持っているその赤いレイピアも魔武具(ウェポン)の一種だな。」

「…これが?」

ニコは自分の拾った真っ赤な細身の剣を見る。ただ落ちていただけの剣だと思っていたのに。だが確かに、これはザイノーアと呼ばれる怪物を斬ることができた。ニコの炎撃をもろともしなかったあの怪物を…。

「そして、魔武具(ウェポン)を扱えるのは、聖守者“テラ・ガード”と呼ばれる限られた人間だけなんだ。」

「テラ…ガード?」

「そうだ。俺も…そしてお前も、聖守者(テラ・ガード)だ。聖守者(テラ・ガード)は、ただ魔武具(ウェポン)を扱えるだけじゃない。自然の力に守護され、そして希望のカケラを感知し、触れることもできる。例えば俺は、雷に守護されているな。」

 恭一は左右の人差し指を突き出し、間を広げる。その指の間を、激しいスパークが飛び交った。ニヤリと笑ってみせる恭一。

「それじゃ、俺が炎を操れるのは…」

「炎…そうか、ニコの守護は炎か」

 生まれつきの炎の“能力”。それは、聖守者(テラ・ガード)としての自然の力。信じられない事実でありながら、それはニコの脳裏に浸透していく。なぜなら、それが実体験を説明したものにすぎないのだから。自分の拳を握りしめてみる。ふと、希望のカケラを取り出してみた。形を変える光が、手の中で渦巻く。

「なあ、何でこれは“希望のカケラ”なんだ?一体何の希望なんだよ。」

「それは、もう一度ザイノーアの話に戻る必要があるな。…ザイノーアは、人間の欲望や絶望、憎しみや恨みといった、負の感情から生まれる。それを魔武具(ウェポン)で倒す事で浄化され、“希望”へと変わるそうだ。そして、希望のカケラを集めれば、ザイノーアは消滅し、世界は救われると言われている」

 ガタン、と椅子が音を立てる。ニコは席を立ち、恭一を見下ろした。

「…面倒な話だ。結局おとぎ話かよ」

 突然の行動に驚きはしたものの、恭一はニコの言葉に苦笑した。

「その通りだ。これは面倒なおとぎ話。でも俺は…例え微力でも、自分にしかできないことをやりたい」

 ニコは反論できなかったし、しようとも思わなかった。無言のまま、店を出ようとする。

「…もったいねえな、筋はいいのに」

「俺は、自分が何者か分かればそれでいい。面倒な事件に巻き込まれるのは嫌だからな」

「そう…か」

恭一の残念そうな声が聞こえる。自分の分のお代だけ置いて、ニコは喫茶店から出て行った。あてなど、無いままに。

書いていたけど更新放置ー

 ようやく世界観が見えてきた…ような気がする


そして、これにて1章は終了~

次回からは2章となります

 …ここまで来て、メインキャラ7人のうち、6人は登場しているんだよね

名前が登場してないのがほとんどだけど

あと一人は…1章を書き終わったあとに追加されたので、次章以降に登場する…ハズ!

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