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お待ちしていたです

 ここが、グリトニル邸――。

 少女は何度か、表札を確認した。ほとんど高い建物のないこの地方には珍しく、見上げるほどの高さだった。およそ四階建てだろうと推測した。

 少女は門を抜けて、両開きの扉の脇に垂れた紐を引いた。がらんがらんと扉の向こうで鐘が鳴る。ほどなくして、メイドが姿を現した。これは一般的な呼び鈴であるらしい。

「いらっしゃいませ、です」

 身長は百四十センチかそれ以下の小さな女の子で、メイドというには少々頼りない。しかしそれより、頭から伸びている白いうさぎの耳のようなものに視線が惹きつけられた。

「……?どうしたですか?」

 少女ははっとして言った。「あ、いえ、なんでもないですよ。ちょっと、このお屋敷のお話を聞いたんです」

「お話、ですね」メイドは少女の顔をじっと見た。「ハイです。お待ちしていたです」

 予約していた覚えもないのだけど、と少女は思った。先生か誰かが話をつけてくれていたのだろうか?にしては早すぎる。ひとまず考えるのはやめた。

「お入りください」メイドは少女を招き入れ、客間に案内した。「ちょっとご主人様を呼んでくるですね」

 こんな大きなお屋敷の主人か、いったいどんな人だろう――少女は緊張していた。そわそわと周りを見回すと、新鮮な花が生けてある高級そうな花瓶が目に入って、思わず目眩がした。

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