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アンデットマン登場

 昼休み……

慣れない仕事で凝った肩を回していると、先輩が、

「あの後が、なかなかケッサクだったんだ」

と言って、僕が目を覚ました後のことを話し始めた。



【ねぇ、ビク。目を覚まして。あたし、ビクのお嫁さんになるから、約束するから】

エリーサちゃんが大泣きで僕の身体を揺すぶるのを、みんながもらい泣きしていたときのことだった。僕がいきなりぱちっと目を開いて、

【本当に? 本当に今度は逃げないで私の妻になってくださいますか?】

と言うと、すっと立ち上がって優雅にお辞儀したのだそうだ。

【○×△□※! マミー、あ、包帯してないからマミーじゃないわ、グール!!】

エリーサちゃんはそれを見て、恐怖にひきつった顔をしてありったけの言葉で僕をアンデッド宣言。

【ひどいな、私はまだ腐ってはいませんよ】

【もうすぐ、腐るわ】

死体だもの、とエリーサちゃんは小さな声でそれに付け加えた。

【それは困ったな。私はまだ、あと100年は腐らないつもりなんですが】

それに対して僕は、いたずらっぽい笑みを浮かべてそう返す。

【マシュー、腐らねぇぞ。第一死んでない、こいつ宮本じゃねぇんだから】

【さすがは鮎川様ですね。では、ちょっと失礼します】

何かを気づいた先輩に僕はそう言うと、王様の前にひれ伏し、

【王よ、ビクトール・スルタン・セルディオ、ただいま戻りました】

と言った。

【うむ、よくぞ戻った。で、コータルは無事なのか】

【ビク、ビクトールって?】

エリーサちゃんが僕と言うか、僕もどきのセルディオさんのファストネームに妙な反応する。あれっ、セルディオさんの口振りではエリーサちゃんはセルディオさんのプロポーズを振り切って逃げ出したみたいなのに、どうして彼のファーストネームを知らないんだろう。

【エリーサ様、王にご報告申し上げたら、いくらでもご質問にお答えしますからね、少々お待ちください】

セルディオさんはエリーサちゃんに向かって、人差し指を口に当てながらそう言うと、王様にこれまでの顛末を話し始めたらしい。 


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