違和感に気付く
いろいろ誤植多いよね…(-_-;)
同じころ―――
-わあ、あの子マジかっこよくない?
-どこどこ?
-ほら、黒い生地のニ―ソ履いてる子。
変な囁き声が聴こえたように思うんだけど無視。あと一樹はさっそく騒ぐ女子たちに捕まっていたので、応援席は一樹の分までちゃんと確保することを誓ってモデルは置いていく。
「やっぱりモデルさんはモテるんですね…」
いやあんたもモテるよ?心ちゃん。お母さん心配だよ。私の思いなど露知らず、心ちゃんはぱっちりした両目を見開いて、純粋に一樹の人気っぷりに感動していた。さすがに試合前の友永くんを捕まえて用件を済ませるわけにもいかず、私は右に心ちゃん、左に咲真を据えてがっちりガードを固めることにした。何故なら一樹も子規も、やたらくっついてくるし変態だから!
子規は思いっきり心ちゃんになりきって甘えてくるし一樹は一樹で変態なんだよ!
容赦なく蹴っ飛ばす一樹はともかく…子規は何だか、癒し系で可愛くって可愛くって…
「?千華さん、何一人で頭を抱えてるんですか?」
問いかける妹と違い、満足げに私を眺めてくる子規の存在にはちゃんと気付いていた。
『そもそも、なんで関東大会に誘われたんだ?友永から』
私が落ちつくのを待って、咲真がすっとケータイを指しだしてくる。
「大会予選に来てくれるついでに、相談したいことがあるって言われて。多分、学校じゃ言いにくいことなんだろうけど」
「それってまさかの告白じゃないのー?」
非難めいた口調で割り込んできたのは、さっさと女達を撒いてきた白石くん。何だよ女達に囲まれてウハウハ言っているのかと思ったのに…こいつの突っ込みを聴いた咲真と子規ががばっとこっちを向いてきてぎょっとしてしまったじゃないか
「千華ちゃ~ん、声にでてるよぉ~」
「あれえ何のことだろう。まあ告白はない」
後ろから腕が回されてきたし…「私にも許容範囲ってもんがあるんだ」ということを知らしめるため、思いっきりガンッと後へ頭突きしてやる。白石くんは涙目になって、確保されていた自分の座席にすごすごと戻って行った。
「だって、友永奏って…ミステリアスに見えて実はすごくネガティブだと思う。…こんな大変な時に人に惚れている余裕はない、みたいな」
『まあアルビノ自体が変な病気だもんな』
何故か発声機能がない咲真も実は変なんだよ、と言いたくなったけどまた殺人ビームを浴びるのは面倒なので黙っておく。
「あの、皆さん…試合が始まります」
唯一正規の可愛らしさをキープしたお嬢様が、私達を黙らせた。
清羅学園高等学校VS賢心大学付属高等学校のバスケ試合だ。
選手が入場し、やはり目を引くのは友永くんだった。試合が始まった瞬間に、彼は敵のマークを振り切って驀進し、清羅学園は先取点ばかりかいきなり4点も入る。付属高校の選手のマークが次第に彼に集中すると、他の選手がノー・マーク状態に。アルビノボーイは素早く味方にボールをパスしてやはり7対0で清羅学園が勝っている。
はた目から見れば、アルビノというハンデつき、しかもイケメンの、異色の存在だ。
(あれ…?)
でも。何だか顔色が悪い。もともと白いから分かりにくいけど。そういう白すぎる肌の人にも、“顔色の悪い”という言葉は通用することに気がついた。考えてみれば、選手入場の段階からあくびをしたりとか、あくびをかみ殺したりしているような様子が思い出される。
(睡眠不足でプレイしたりして、大丈夫なのか…?)
異変はすぐに現れた。
これまで得点をとり続けていた友永くんの動きが、急に遅くなった。清羅学園側のコーチはタイムアウトをとり、選手たちが集まって行く。ほどなくして、友永くんの代わりに、入学式からちらほら見かけている水瀬透がコートに出てきた。
私や咲真と同じ特待生だ。あんなにやまほど宿題出されるのに、よくバスケと両立してるなあ…さしずめ、最初は友永くんが出て、水瀬くんが後半から点を取りに行くんだろう。…それにしても、友永くん、疲れてるのか?動きに無駄はないけど…
何かがおかしかった。




