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私達の(非)日常  作者:
一章 たぶん日常
6/8

6 ある日のこと2

教室は案の定というべきか、一歩はいると気持ち悪い感覚に襲われた。捻じれがまだ完全にふさがっていないからだ。


「これなら行きやすいね」


「いちから開くのは面倒だからな。それじゃ、ちょっといくか」


念のために教室の周りには結界をはっておく。これで周りから私達の姿は見えないだろう。結界って言っても姿を隠すだけだからちゃんと中には入れる


「「開」」



その瞬間周りの景色が一気に変わる。

まだ塞ぎきっていない捻じれは不安定だ。そのまま入ってもいいが、向こうにつくまでに閉じきってしまうかもしれない。だから私達が入る前に一度開けて、私達が向こうへついたと同時に消えるようにしている。

この中を通っているときの車酔いともなんともいえない感じが相変わらず気持ち悪い……。



視界が開け、光が目に入ってくる。


「やあやあ、きたね。お疲れ様ー。早速動いてくれて嬉しいよ。今回は君たちが前世のときにいた世界みたいだから安心していいよー」


目の前に銀髪ロン毛の男。

その男に凛人は殴りかかり綺麗にかわされていた。


一応神様なんだけど、、こんな軽そうな奴が神で大丈夫かって心配になるよ。



「何でここについたんだよ!!」


そうそう、それ。今まで移動したら必ず目的地にたどり着いてたのに何故私達は天にいるのだ?


「まあまあ落ち着きなさいって。君たち、その格好で行くつもりだったのかい? そんな格好で行ったら向こうで召喚してた人達に同じだって思われるよ?」


「召喚?」


「そう。何で急に空間が捻れたのかなって思って調べてみたんだけど、するとどうでしょう。国には内緒で()が勝手に異世界から地球人を召喚しようとしてたわけ」


黒。

前世でもお世話したなー。

何かと国に反発したがる反政府組織の代表だ。今回も国を滅ぼそうとか考えて呼び出したのだろう。地球人、時々異世界に転生、転移したらすごい能力発揮する人いるしね。てかまだ捕まってなかったのか。


「ということで、、着替えて行ってらっしゃい!!」


なんか神様のテンションにイラッとしながらもいつもの仕事着に袖を通す。

この服は神様オリジナルで動きやすい、通気性がいい、脱ぎきしやすいが売りだ。袴をベースとしているが、胸元にある2つの数珠や時々武器にもなる縄、懐にさされた剣と笛など、実用性を兼ね揃えている。ただ見た目がちょっと厨二病っぽいからできたらこの服では行きたくなかったんだけど……、どうやらそうもいかないらしい。



「……これ、、絶対頭どした? って言われる……」


「わかる……。だが、、まあ、たぶん記憶残らないし、、」


いつもならそのままさっさと仕事着に着替えて行くのだが、なにせ今回の助ける相手は普段一緒にいる同級生だ。抵抗があるのも、、仕方あるまい。




◇◇◇


またふわっとした感覚とともに周りの景色が変わる。


室内だ、ということは分かった。が、それ以上の情報はなにもない。ここがどこなのかも、ここは安全なのか、も。


「気配する?」


「いや……。たぶんみんなが落ちてきたのはここだと思うけど移動したようだな。足跡が数十人分残ってる」


あ、ほんとだ。

うちの学校は土足で、特に昨日は雨が降ってたから少し湿った土が靴の跡をくっきりと残していた。


「これを辿っていけば……」


その足跡は地下に続いている。

何もされたなかったらいいけど……。



◆◆◆


俺たちは急に訳のわからないところへ落とされた。

クラスの団結力も無駄に高い俺達だが、流石に今は焦る。


「何だここ!?」


「やだ、誰かいるんだけど!!」


俺たちを囲むようにして数人の男か女かもわからないフードを被った奴らが俺達を見下ろしている。



「お前たちは誰だ? ここは何処なんだよ!!」


不安がさとられないようにわざと大きい声を出す。


「成功いたしました!! レド様、地下へ連れていきます!!」


「ああ、それと……」


そこからは聞き取れなかったが、嬉しそうなのだけは分かった。



「なあ、俺達どうなると思う? 田中」


「わかんねえ。ていうかここどこなんだよ」



「これってさ……もしかして異世界召喚、、とかじゃない……?」


最後に吉本が小さく呟いた。

吉本はいつもラノベばかり読んでいて、軽いオタクだっていうのはみんな知っている。


召喚……。俺もそんなに知識があるわけじゃないけどそれくらいは知っている。

まさか……、でも……、と、他の皆もざわざわし始めた。


正直俺もテンションが上がっている。

だって大体召喚されたらチート能力とか持ってて世界を救ってヒーローになるっていうのが鉄板だからだ。

勇者になれなくても同じ仲間としてパーティーを作ることだってできる。



皆のテンションも絶好に達したところで、ようやくフードの一人が説明し始めた。


「ようこそお越しくださいました、チキュウジン様。私の名前はレドと言います。どうぞお見知りおきを。さて、さっそく本題に入らせていただきましょう。もう感づいている方もいらっしゃるかもしれませんが、あなたは方には世界を救っていただきたいのです」


おおぉ、と歓声が上がる。

やっぱり予想通りだ!! こんなこと、現実でもあるんだな……!!


「それでは、お疲れでしょうから宿を用意したのでゆっくりとお休みください……と言いたいところなのですが、少々予定が狂ってしまいました。急で申し訳ないのですがさっそく今からちょっとした訓練をしていただきます」



そう言葉を言い残し、レドとい男は姿を消してしまった。代わりに部屋に入ってきたのはフードが2人。そのフード達に連れられて俺たちは地下へと入っていった。


後半田中くん視点

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