4 神様の日常
色々と説明回(?)
今日も異常はないね。そういうことでいつもの日課である凛人に連絡を入れる。綾にでもいいんだけどね、、僕は反応的に凛人の方が好きかなあ。
「おはよう。今日も異常なしだよー」
『……うるさい。分かった。てか異常ない日に連絡するの何なの?』
おぉおぉ、朝から低血圧な凛人くんだ。毎度のことながら
機嫌が悪い。
「それは僕が連絡したいからだよ。ずーっと一人でいる身にもなってごらんよ。そりゃもう寂しくて寂しくて。凛人も綾も用事なくても良いからこっちに遊びに来てよー」
『前に行っただろ! それに俺たちもあんまり暇じゃねえ』
「前ってあれは緊急事態じゃん。来たっていうカウントにはならないよ」
『はいはい、わかったよ』
そういうともう喋らなくなってしまった。たぶん学校に行く準備を始めたのだろう。高校、大学まで一般化しているところってほんとにこの世界くらいしかないからねえ。凛人も綾も初めはこんなに簡単に多くの者が学ぶことが出来るんだと驚いていた。
そりゃあね。僕の作った世界だから。
さて、僕も仕事に取り掛かろうか。
毎日あるってわけじゃないんだけどね。今日は、、少し面倒くさい案件がある。どうやら僕が自分の世界の次に作った世界、第二世界の神がちょっとやらかしちゃったみたいで。
一応決まりとして罰を与えないといけないんだけど、そもそも僕あの子達と仲いいしあんまりそういうのやりたくないんだよね。まあめっちゃやらかしたって訳じゃないし、僕が昔あげた子達を戻すっていうことで事は落ち着いた。
あの子達もいい経験になっただろうし、そもそも第二世界の神たちは普段はあまり使ってなさそうだったし、このくらいでいいだろう。
ていうことでその子達を連れてきてもらうまで待つ。
第二世界の神たち、ああ、アルタ、アイテール、エレボスっていうんだけど、あの子達それはもう日本という文化を好いてくれているから今日も何か買って帰るだろうか。
お金は、、たぶん持ってるね。
僕は大体日本に流通しているお金は株で儲けているけど、今はそれを凛人と綾の学費やその他諸々に使っているから正直沢山あるわけではない。昔は日本に遊びに来る神たちに観光資金として渡していたんだけど、、ぽんぽんは渡せなくなってるからなあ。まああと100年は遊んで暮らせる分はあるけど。
で、頻繁に来るアルタ達にあんまり渡せないぞって言ったらあらまびっくり。あの子達ちゃんと自分で稼いでるしね。それもかなり。
今日は老舗のカステラを紹介しておこうかな。
◇◇◇
「はい、これ」
そう言って凛人から渡されたのは大量のゴミ袋。10個、、くらいかな。
「これが今月分な。じゃ、俺これからご飯だから」
「えー、帰っちゃうの? せっかく来たんだしもっとゆっくりしていったら?」
「お腹すいたし。それに何回も言ってるがここには死ぬほど来てるだろ。毎回転生する前には一年くらいここで過ごすわけだし」
それじゃあと言って僕の前から凛人が消える。
凛人が持ってきたのは世界のゴミだ。凛人と綾をこの世界に転生させたのも、最近サボりがちだったから世界のゴミがたまりすぎてたからで、、。こんなこと言ったら本当に怒られるから本音は口が裂けても言えないけど。
このゴミを、新しく創っている世界へゴミ袋の中身を開けて放り込む。塵積のようにこのゴミもたくさん溜まれば山になるように世界が出来る。そうやって僕は新しい世界を創っている。
そもそもこのゴミって僕が創った他の世界から意図せずに日本に来ちゃった物たちで、直接害があるわけじゃないけど放っておくと自然災害が多くなるんだよね。
各世界に神はいるよ。僕の知り合いをちょくちょく入れてる。本当は凛人も綾も神にしてもいい資格は十分に持ってるし、何なら持ちすぎくらいなんだけど、、やっぱりこういう仕事してくれる人はいるよねー。本人達にも前に聞いたことがあるけど、そんなに神になりたいわけじゃなさそうだったしいいってことにしている。
ほんとに色んな子を神にしてるのよ。世界を創ると自然と生命が出来るようになってるんだけどね、まあびっくりするくらい皆同じ。大体世界が創られるとその時に魔素っていうのが存在するようになる。その魔素の影響で日本とは違う生命体が出来たりするわけだけど、、あとは大体同じだ。
初期のステータスとかはよっぽどのことがない限り僕がルーレットで決めている。どうせ努力すれば伸びるし、ルーレットと言っても大して変わらないしね。
世界の神を選ぶときは適材適所だ。
初めの方は僕が管理しているけど、千年くらいすれば新しい神に任せて独立させている。その神はその世界の住民から選ぶときもあるし、日本からも、他の世界からもある。ま、その時に合わせてだね。
今は第八世界まであるけれど、第八世界はそういえば日本の子達だった。江戸時代に幼い頃親に捨てられてから二人だけで育った子だ。色々あったんだけど、神には向いてるとも思ったし、何より生命力が強かったね。
今は妹の方がこの世界にいるんだっけ。
まあ僕が発展した故郷を見せたかったっていうのもあるんだけど、普通に妹の方は姉よりもねえ。……ここは想像におまかせするけど。
余計な知識は持ってなくていいって言うことで記憶を消して転生させたんだけど、結局前と同じような仕事をしている。やっぱり好きなんだなあ。
あ、もうこんな時間じゃないか。眠る必要はないけど、、僕だって精神的な休息は大事だし、寝ることは単純に好きである。
そして僕は布団に横になり、テレビをつけた。
これが神である僕、ティミスの日常だ。