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私達の(非)日常  作者:
一章 たぶん日常
1/8

1 綾の日常

皆さんこんにちは! 初めましての方やそうでない方も是非物語を楽しんでいただけたら幸です。

この物語は気長にのんびりいこうと思っています。一章ごとに終わらせていく予定なので、どうぞ最後までお読みください(_ _)


私の朝はラジオ体操から始まる。

これ物凄くいい。普段平和だと滅多に使わない肩甲骨とか、無駄のない動きで約10分間体を動かし続けられる。


私達が前に日本に転生したことがあるのっていつだったっけな……。多分洋服とか普及してなかったから明治よりもっと前だったかも。その時はラジオ体操なんてなかったから、作った人天才だと思う。



いい汗かいたあとはシャワーを浴びてお弁当作り。

凛人と交代で作るけど、大体凛人は起きてくるの遅いからほとんど私が作ってる。料理は嫌いじゃないから別にいいけど。

そのためか日に日にお弁当技術が上達している私。流石だね。


ついでに朝ごはんも作って凛人を叩き起こしに行く。

凛人は……切ってもきれない縁をもつ、お互いにいなくてはならない存在だ。もう好きとかそういうレベルじゃない。


まあ、急にこんなこと言ってもわからないよね。

軽く私達の生い立ち? を説明しよう。


私は神楽 綾(かぐら あや)

何度も転生を繰り返しているちょっと一般人とは変わった人生を送っている。

そして、この終わらない人生をともに過ごしている人が社 凛人(やしろ りひと)

こいつはなんて言ったらいいか……いわば完璧人間だ。勉強をさせれば軽く満点。運動では横に出るものはなし(私は戦闘経験もあるのでついていける……ときもある)。それに加えて美術品並の顔面偏差値でこんにちはしてるわけだ。芸能人顔負けよ。


……凛人の説明はこれくらいにして、根本的な話、何故私達が転生を繰り返しているかというと、ここには神様が関連してくる。そうじゃなきゃ誰が好き好んでずーっと終わらない人生を送っているかっつーの。


まあ…。神様の悪口はまた今度嫌でも出てくるので。


そんなこんなで日々楽しく生活しています。



凛人を叩き起こし、朝は低血圧で眉間にしわが寄りがちな凛人と一緒に朝ごはん。


「今日数学の小テストあるって言ってたよ」


「うわ、マジか……。ま、どうせ満点だろうけど」


「……でしょうね」


で、実際に満点取ってくるのがなんとも腹立たしい。


「ほら、遅刻するぞ」


「わかってるって。誰のせいでちょっと遅くなったのよ」


行く前についでにゴミ出しをしてから学校へ向かう。学校は徒歩10分だ。ゆっくり歩きながら向かっていると近所の人達によく声をかけられる。


「綾ちゃん、凛人くん、おはよう! 今日は少し遅いのかい?」


「おはようございます、山内さん。いやー、ちょっと凛人が寝坊しちゃって」


「いやいや、綾がご飯食べるの遅いからだろ?」


「絶対違う」


「仲がいいのは何よりだよ。そうだ。今日カレーにするつもりなんだけど多めに作るから綾ちゃん家に持っていこうか」


「えっ、本当ですか!! わー、ありがとうございます!! 山内さん家のカレーってどうやって作ってるのかレシピ知りたいんですよねー」


「そう言ってくれると作りがいあるよー。家の子達はありがとうも美味しいも何も言ってくれないからねえ」


それでは行ってきまーす、と手を振る。


「じゃあ今日の夜はカレーだ」


「おー、了解。じゃあ明日が俺の料理当番な」


「買い物ついていこうか」


「よろ」


私達の外向きの関係は"親戚"だ。

学校へ通うために遠く離れた実家を後にし、二人で住んでいることになっている。実際は実家なんてないんだけど。

まあこうやって二人暮らしでは何かと不便ということで、よく山内さんを始めとした近所の人達が差し入れなんかを持ってきてくれる。

普通に有り難い。


ああ、でもどうしても保護者が必要になるときとかは不本意極まりないけど神様が保護者の代わりをしてくれる。

流石に銀髪ロン毛ではないよ? 

ちゃんと日本人にあった容姿で、私と凛人で変えているのだが。


「で、今日は何も連絡来てない?」


連絡とは、神様からの連絡なんだけど、前まで"歪み"が現れた瞬間に直接頭に来ることになってる。流石にいきなり頭の中に警戒音が響くとびっくりするし頭痛いからやめてほしいとのことで、神様に朝連絡するようにお願いしたのだ。


そして"歪み"。私達の転生した主な理由は、時々現れてしまう"歪み"を直すこと。

"歪み"は放っておけば下手すると向こう側、違う世界ヘ行ってしまう可能性があるから、被害が出る前に直しておく必要があるのだ。


少し前に教室に"歪み"ができちゃって大変だったんだけど……もうあんなこと起こらないのを願う。


「今日は何も来てないから大丈夫だと思うが……あの神のことだ。まだわかんね」


「……おっけ」


そんなこんなで今日の予定を話しつつ学校へ着く。そして始まるのが凛人へのアピールタイムだ。


「おはようございます! 社先輩!! 今日はバスケ部来てくれますか?」


「うーん、、今日は先に剣道部が入ってるから無理かなあ。明後日なら大丈夫だよ?」


「本当ですか!? ありがとうございます!!」


「凛人くーん、今日髪巻いてみたの。どう?」


「可愛いよ」


「やったー! じゃあ放課後デート行こうね?」


「デートは……無理かな」




…………皆様お気づきだろうか。

そう。この男、二面性を持ち合わせているのだ。


自分で言うのもなんだけど、私みたいな信頼出来る人や、親密な人の前では朝みたいな態度が普通何だけど、学校ではこのキャラ。いわば「理想の王子様」だ。


ま、いいけどね。本人としてはこのキャラきついらしいから何でやるのかいまいちわかんないんだけど、本人曰くこっちの方がうまくいくとのこと。



「おお、おお。朝からモテまくってんなあ、二人とも」


「あ、田中くん。おはよう」


彼は田中 翔平(たなか しょうへい)

私達の秘密を唯一知っている人だ。教室事件の一件で、何故か彼にだけ神様の記憶を消す力が使えなくて、"歪み"を直すときの後始末も手伝ってもらってる。


「お前……そのキャラ疲れねえの?」


三人で教室に向かいながら田中くんが凛人へ尋ねる。


「疲れるに決まってんだろ? 好き好んでやってないっつーの」


「ならやめればいいじゃん」


「まだ辞める必要はないからな」


ふーん、と田中くんは理解出来ないような声を上げる。


そこからはいつもの授業が始まり、同じような日々を過ごす。

転生を繰り返してきたからか、今の人生が一番楽で楽しい。


これが私、神楽 綾の日常である。

面白いな・続きが気になると思った方は、評価、ブックマーク、感想ぜひぜひお願いします!!


御手数ですが、よろしければ下にある

☆→★に変えていただけると嬉しいです(_ _)

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