第6話
マックス達がとあるモンスターと戦闘中。
「くっ!こいつら、状態異常ばかりで面倒くさいな!」
盾でモンスターを抑えている際も、度々マックスは様々な状態異常にかかり、その都度ゆきに治してもらっていた。
しかも、たまに強力な攻撃も仕掛けてくるのでタチが悪く、まだ戦うのは早かったかも?と考える程だった。
「くぅ……はっ!しまった。
右京、すまん!そっちにブレスが!」
マックスはモンスターの状態異常ブレスの対処をミスってしまい、右京の居た場所へ誘導してしまった。
丁度、右京はブレスを吐いたモンスターとは別のモンスターに対応していた為、マックスの声も虚しく、気づくのが遅れて、モロにブレスを食らってしまった。
「うっ!」
急に倒れ伏す右京。
「右京!!ゆき、右京に回復を!」
「む、無理です!リーダーを治すので精一杯です。」
「マックス!右京の体力ゲージは減っていないわ。恐らく睡眠か麻痺よ。
私達も確認している余裕が無いから、とにかくまずは倒すのに専念しましょ!」
「ボクがウキョの代わりに頑張るよ!」
そうして、倒れた右京を放置したまま、戦闘を続け、なんとかモンスターを殲滅できた。
殲滅後、すぐに全員が右京の元へ駆け寄ると、右京の状態異常は睡眠だった。
叩き起こせばすぐに起きるのだが、もし麻痺だった場合はゆきの回復魔法か麻痺回復薬を飲ませなければならないので、先程の戦闘中ではゆきもシャルル達もそんな余裕が無かった。
スヤスヤと眠る右京の姿を見て、マックス達はホッと一安心。
とりあえず、右京を起こそうとマックスが右京の体を揺さぶった。
「右京!右京!起きろ。起きてくれ!」
「……う、うぅん……」
「「右京!」」
「っ!」
ようやく目を覚ました右京は、目を見開いて、すぐに自分が陥った状況を理解したようだ。
「ずま゛……ん゛……ん?……ご、かぁっ!?あっ、う、うぅん……(ゴクンッ)。
すまん、皆。」
まずは謝罪と思ったが上手くいかず、整えてから改めて右京は謝罪した。
謝罪されたマックス達はというと……プルプル震えた。
『ね、寝起きで痰が絡んでる!』
『嘘!?たった数分寝ただけよ?あり得るの?』
『ボクの父さんも良くやってる!』
『流石は右京さんですね。こういう時、期待を裏切りません。』
ついには堪えきれず、マックス達全員が盛大に笑った。
そのせいで右京が不機嫌になってしまったので、慌ててマックス達は謝った。
「すまない、右京。いや、違うんだ。俺達は右京と一緒に遊べて良かったと再確認していたんだ。」
「ごめんなさい。いいえ、ありがとう。」
「毎日、本当に楽しいよ!」
「フフッ。そうですね。これでは他のパーティーへ行けなくなってしまいそうです。」
「そ、そうなのか?だけど、先ほどは皆に迷惑をかけてしまった。本当にすまん。」
「元は俺のミスだから、そんなに謝らないでくれ。
いつもかなり助かっているさ。これからもよろしくな!」
「一緒に頑張ろっ!」
「そうね。」
「ええ。」
「ああ!よろしく頼む。」
こうして厳しい戦闘を終えたばかりのマックス達であったが、全員が笑顔で街へ戻り、反省&談笑会も楽しんだ。