表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

97/242

97.迷い猫探し


 神聖皇国から来たおっさん、リューウェン。

 彼は俺と同じ、今回の生誕祭に参加する予定とのこと。


「拙僧達は皇国の守護騎士、【聖騎士】と呼ばれる存在なのでござるよ」

「聖騎士……。達ってことは、あんた以外もいるのか」

「うむ。拙僧らは【バディ】を組み行動することになっているのだが……ちと問題があってな」

「問題ってなんだ?」

「拙僧のバディが行方不明でござる」


 迷子ってことか。

 帝都は王都と比べて狭いが、しかし人が多いからな。

 慣れてない人が来ると迷子になる。


 どうするか、なんて考えるまでもない。

「探すの手伝うよ」

「おお! ……しかし、よろしいのか? 貴君らはどこかへ向かっている途中では?」


「あんたと一緒で訓練に行く途中だよ。あんたは一緒に護衛する仲間だ。仲間が困っていたら助けるもんだろ?」


 軍に、胡桃くるみ隊に入って俺はそれを知った。仲間との絆が、窮地を救ってくれることがあるって。


 だから、仲間が困ってるなら助けたいと思う。


「貴君はすばらしい御仁であるな!」

「…………」こくこく、えっへん。


 俺の後ろでぼーっとつったっていたフェリサが、どや顔でうなずく。


「俺は目がよくて、妹は耳が良い。捜し物にはぴったりな兄妹だろ?」

「それはなんと! 神の思し召しであろうな! いやあ、普段から徳は詰んでおくものだ!」

「で、特徴は?」


 うむ、とリューウェンはうなずいて、バディの特徴を告げてくる。


「まあ強いて言えば……」

「言えば?」

「野良猫、でござるかな」

「はぁ……野良猫?」


 バディじゃなかったのかよ……。


「あいや、野良猫のようなということでござる。赤毛で、気性が荒く、すぐに人にかみつくようなおなごでござる」


 つまりフェリサとは正反対の女の子ってことか。


「おっけー。わかった。フェリサ、探すの手伝うぞ。いいな?」

「…………」どんっ。


 任せとけ! とばかりにフェリサが自分の胸を叩いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ