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88.ヴィクター・シリーズ



 教練室トレーニングルームにて。

 リヒター隊長から渡された新装備、錬金武装。


 この素材に、あの魔蟲族、剛剣のヴィクターの素材が使われてるだって……?


「ガンマ君があと一歩まで追い詰めたヴィクターの黒い鎧。あれをリコリスくんに回収してもらっていたのですよ」


 あの妖精すっかりうちの隊員だな……。


「魔蟲族は進化すればするほど、その外皮は硬く、そしてしなやかになります。あのヴィクターは恐ろしい堅さ、そして速さを身につけていた。それだけ上質な外皮から作られた装備ですので、強くて当然です」


 確かに、めちゃくちゃ軽いのに、頼りなさをまったく感じない。

 

「敵の死骸を使って作る武装なんて、縁起が悪いんじゃないかい?」


 オスカーからの指摘に、ふぅ、とリヒター隊長がため息をつく。


「縁起なんてしりません。勝てば良いのです。勝たねばならぬのです。あなたたち帝国軍人は、戦えぬ民の代わりにあの蟲どもを倒す駆除人ではなかったのですか?」

「オスカー。隊長の言うとおりだ。勝つために、手段なんて選んでる必要は無い」


 オスカーがため息をついてうなずいた。


 俺は自分の新しい装備を見やる。

 黒い籠手と、そして黒い弓。

 これなら何発か、俺の全力の一撃に耐えられるだろう……。


「隊長。俺の……じーさんからもらった弓は?」


 超巨大蛾を倒したときに使った、あの最高の弓のことだ。

 リヒター隊長はふるふると、首を振った。


「あれは危険です」

「危険って……」

「しばらくはその装備……ヴィクター・シリーズを使ってください」


 隊長が作ってくれたこれが、ヴィクターシリーズ。

 まあヴィクターから作り出した装備だからそうなづけたのだろう。


 ……しかし、あのじーさんからもらった弓は、使っちゃだめ?

 危険って……どういうことなんだ?


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