74.目覚め
「……ここは」
「「「ガンマ!!!!!」」」
俺をのぞき込んできたのは、胡桃隊のみんなだった。
メイベル、オスカー、リフィル先生、シャーロット副隊長、そして……マリク隊長。
「…………」
「フェリサ」
誰よりも先に、フェリサが俺の体にしがみついてきた。
ぎゅーっと思い切り抱きしめるその姿から、俺を心配してくれたのがわかる。
ぎゅううう……
「ごめんなフェリサ。心配させて」
ばきぼきごきごきばきべきぼきぼき……!
「ご……め……」
「フェリサちゃんストップストップ! ガンマが死んじゃうからぁ……!」
メイベルの声が遠くに聞こえる。
万力のごとき力で、フェリサが俺の体を締め付けてきた。
ああ……それだけ心配してくれてたのか……。
すまなかったなぁ……。
「ガンマー! 死ぬなー!」「フェリサちゃん離してあげて! ほんとに死んでしまうわよ!?」
「…………!!」
リフィル先生かなこの声は……。
ふっ、と体が楽になったな……。
はは、フェリサ。しょうが無いなぁおまえは……。
「おいやべーぞ! ガンマのやつ、目がいっちゃってるぞ!?」
「リフィルくん、早く治癒を……!」
まあでも……この賑やかさも、嵐の後の晴れやかな空と一緒って思ったら、へへ……わるくないなぁ。
ああ、なんだか体がぽかぽかしてきたぞぉ……。
「ガンマちゃん駄目よ!? そっちいっちゃだめ!」
「気をしっかり! ガンマ!」
ああ……なんか……どっと疲れが襲ってきた……。
へへ……もうゴールしてもいいよね……。
「ガンマ! いや! いかないで! ガンマぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
……その二日後、俺は帝都大学病院で目が覚めるのだった。
あ、はい、生きてます。