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68.新兵器



 毒蛾へと進化した超巨大蟲。

 毒を吸って倒れている仲間たち。


 そんな中で、ガンコジーさんが大鷲に乗って現れた。

 投げ飛ばされたのは、1本の弓。


 魔蟲から作られた黒い弓から……さらに形を変えてる。

 装飾品がないのはこないだと同じだが、緑色の光るラインが走っている。

 

 小さく緩く明滅しているところから、それが血管のように思えた。


「ガンマ! それがわしの作った【魔蟲弓】じゃ!」

「まちゅうきゅう……」


 実に手になじむ。じーさんが俺の手の形に合わせてくれたのだろう。

 俺はすぐさま弓を持つ。


 ばちんっ! 


「なん……ぐ……!」


 弓を持つ左手に、何か鋭い痛みが走った。

 つぶさに見ると、俺の左腕が肘のあたりまで……黒くなっていた。


 どくんどくん……と魔蟲弓が脈打つのと同期して、俺の黒くなった左腕に走るラインも明滅する。


「つながった……」


 そうとしか形容できなかった。

 手になじむなんてレベルじゃない。俺とこの魔蟲弓とが、完全に一体化したのだ。


「! 体が……楽になったぞ……」


 さっきまで毒と、ヴィクターとの戦いによるダメージで体がボロボロだったはず。

 だのに、俺の体はまるで、羽が生えたように軽くなっていた。


「いける……これなら……!」


 俺はメイベルの乗っていた魔法飛行機マナ・バードに乗る。


「ガンマ! それは基本構造がゴーレムだ! メイベルじゃないとまともに運転できないぞ!」


 仲間たちの治療をしているマリク隊長が俺に忠告する。

 確かに、操作が難しそうだ。


「隊長でも無理ですか?」

「ああ。おれも上空に飛び上がってホバリングぐらいしかできねえ」

「上出来です! 操作はお願いします」


 マリク隊長が困惑している。俺が何をするのかわかってなさそうだ。

 だが俺の目を見て、こくんとうなずく。


 治療をリヒター隊長に任せ、マリク隊長が魔法飛行機マナ・バードのハンドルの上に乗る。

 魔法陣が展開し、マリク隊長が両手を広げる。


 すると魔法飛行機マナ・バードがふわり……とその場に飛び上がった。


「もっと高度を!」

「わかった!」


 ぐんぐんと魔法飛行機マナ・バードが上昇していく。

 そして、さっきまで俺たちがいた円卓山が、遥か下に見える位置までやってきた。


「おまえ……これからどうするんだ?」

「ここから、やつを狙撃します」

「ここからって……おまえ! 敵はもう見えなくなってるぞ! しかも、すさまじい早さで移動し続けてる!」

「わかってます。でも……できます。この魔蟲弓……じーさんの作った弓なら!」


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