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【完結】S級パーティーから追放された狩人、実は世界最強 ~射程9999の男、帝国の狙撃手として無双する~  作者: 茨木野
第2章

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58.人を超えた目

【★☆★読者の皆様へのお知らせ★☆★】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。



 俺は王直属護衛軍がひとり、剛剣のヴィクターとの戦いを繰り広げている。


 ヴィクター。一見するとカブトムシの鎧を着込んだ、普通の人間に見える。


 だがやつの纏う雰囲気は常人を、そして普通の魔蟲族を遥かに超えている。

 狩人ハンターは【獲物の強さ】を目視できるのだ。


 強い敵からは、赤い色のオーラを。

 弱い敵には青色のオーラを。


 これの正体がなんなのかわからない。

 ただいいハンターはこの色の見分けの精度が高い。


 ガンコジーさん曰く、【共感覚】というものらしい。

 色々難しくて理解はできなかったけど、とにかく、俺は強さを色で見分けることが出来るのだ。


 やつは今まで見たことのない、真っ赤な……いや、黒ずんだ赤色のオーラを纏っている。

 狩人おれの仕掛けた罠に全く動じず、さらに全力全開の一撃(マックス・ショット)を受けても死なない。


 俺は距離を取りながら、破邪顕正閃はじゃけんしょうせんを放つタイミングを探る。

 だがやつは執拗に距離を詰めてくるのだ。


「ぬうんぅうん!」


 やつには一瞬で距離を詰める力がある。 そしてでかい図体からは想像できない早さで大剣を振るう。


 ボッ……! と【俺】を切り飛ばす。


「! ダミーか!」

竜の矢(レーザー・ショット)!」


 案山子の矢(ダミー・ショット)の矢で作ったダミーを切り飛ばし、隙を作った。

 死角からの竜の矢(レーザー・ショット)


「それは効かんと言っておろうが!」


 だが……

 ビチュンッ……!


「なっ!? こ、こやつ……先の全力全開の一撃(マックス・ショット)で砕いた鎧の部位を、正確に狙って……!」


 俺は今日、黒弓を5つしか持っていない。

 破邪顕正閃はじゃけんしょうせんは、一発撃つごとに弓を壊してしまう。


 1発はさっき撃った。

 そのときにやつの大剣1本と、鎧の一部を砕いた。


 はっきりわかったことがある。

 やつの体の硬度は、鎧に依存している。

 その下にある肉体は、俺たちとそうは変わらない。

 ならば鎧のない部位を狙い撃ちすればダメージは通る。


鋼の矢(ピアシング・ショット)!」

 

 貫通力重視の魔法矢を放つ。

 今度も同じ部位に向けてだ。


 ヴィクターはたまらず距離を取る。

 だがそれが狙いだ。


 俺は地に足をつけて、渾身の力で弦を弾く。

 

破邪顕正閃はじゃけんしょうせん!」


 弓の弱点は近くにいられると、攻撃が当てられないこと。

 射線に入らなければ攻撃は簡単に避けられちまうからな。


 だから距離を取らせた。

 竜の矢(レーザー・ショット)で俺の狙撃の正確さを印象づけ、二発目の鋼の矢(ピアシング・ショット)は囮。


 また狙い撃ちされるんじゃないかと心理に働きかけ、俺が本命を放つための……ブラフ。


「ぐぉおおお!」


 聖なる光の矢がビクターの体を包み込む。

 一瞬の静寂のあと、光の矢が着弾したことによる爆発音が響き渡る。


「…………」


 ボロボロ……と3つめの弓が崩れていく。

 俺はすぐさま4つ目の弓を取り出して構える。


 ……手応えは、あった。

 だがこれで終わるとは到底思えなかった。

 

 煙が晴れると同時に、ボッ……! と斬撃が飛んできた。

 俺の目はやつの攻撃を捕らえている。


 それをスウェーで避けて、星の矢(アサルト・ショット)を放った。

 煙を星の矢(アサルト・ショット)が払う。


 やつの胴体を守っていた鎧が砕け散っていた。


「なぜ、我が生きてるとわかった?」

「答えてやる義理はない」

「ハッ……! そのとおりだな」


 俺の目には敵のオーラが見える。

 生きてるやつはこのオーラを発している。


 裏を返せば、オーラが消えていない以上やつは生きてる。

 煙の中だろうと、やつの放つ強烈な光を見失うことはない。


「貴様には不意打ちも効かぬようだな。それに……正確な狙撃の腕。ますます欲しい。どうだ、我が配下に……」

「くどい」


 俺は案山子の矢(ダミー・ショット)の矢を放ち、俺の分身を作りまくる。。

 合計で10体。


 やつを中心に取り囲んで、俺は俺のダミー達とともに弓を構える。


 全力全開の一撃(マックス・ショット)


「ほう、こんな芸当もできるのか。本当に器用だな貴様は」

破邪顕正閃はじゃけんしょうせん!」


 10体の俺から放たれる、10本の光の矢。

 だがヴィクターは本物だけを正確に見抜いて……。


攻撃反射パリィ!」


 光の矢を剣ではじいてきた。

 馬鹿な、やつは仕掛けを見抜いたというのか。


 はじき返される光の矢を、俺は即座に横に避けてかわす。


「遅い!」

「!」


 やつが先回りしていた。

 大剣を高速で振り下ろす。


 死という言葉が脳裏をよぎる。

 だが俺の目はやつの剣を、完全に見切っていた。


 ゆっくりと振り下ろされていくヴィクターの剛剣。

 これはやつが手を抜いてるんじゃない。

 やつの剣を、俺の目が上回っている。

 俺の動体視力はヴィクターの動きを捕捉してるのだ。


 だが……避けられるか?

 やつの攻撃を見極めることができても、見極めだけしかできない。


 俺はとっさに竜の矢(レーザー・ショット)を明後日の方向に放つ。

 その反動で俺の体が少しずれる。


 結果、俺はヴィクターの直撃を受けずにすんだ。

 だがやつの剣圧に押されて、俺は吹っ飛ばされる。


 時間がまた戻る。

 がんっ! と俺は背中を大木にぶつける。


「がはっ……!」


 体……いてえ。骨が……臓器にささってやがる。

 だがこの程度の負傷ですんでラッキーだ。


「……本当にすばらしいな、貴様は」


 ヴィクターが感心したようにうなずく。

 俺は立ち上がって弓を構える。

 ふぅ、ふぅ、と呼吸を整える。


「……なにがだ」

「その目だ。完全に我の攻撃を見切っていた。ありえん。我の剛剣は、放てば最後、敵を必ず一撃で葬る……不可避の必殺技。それを見極めることができるものは存在しない……だが」


 ヴィクターが俺の体を指さす。


「貴様の体は、その目に追いつけていない。いかに敵の攻撃を見極めようと、体がそれに対応できなければ、敵の攻撃を避けることは不可能だろう」

「……ああ、わかってるよ」


 時間がゆっくりに見えても、実際に時間の流れを止めたりゆっくりにしてるわけじゃない。

 俺の体は、目についていけてない。


「だからこそ……惜しい。貴様が人間であることが、惜しい。貴様が我と同じ蟲ならば、目と同じ格を持った肉体ならば、避けれただろうに」

「ハッ……だからなんだ。あり得ない仮定だ。俺は……人間だ」


 ふらふらする。やばい……結構……やばい。

 呼吸が整わない。肺だ。たぶん、骨が肺に突き刺さっている。


 それでも……やるんだ。


「てめえを狩る。俺は……狩人ハンター……人間だからな」

【★☆★とても大切なお知らせ★☆★】


新作投稿しました!

タイトルは、


『最強女勇者パーティのお世話係〜無能だからと魔境に置き去りにされた僕、史上最強のお姉さん達(生活力皆無)に拾われ同棲してたら世界最強になってました。今更帰れません、皆僕を手放してくれないので…』


ページ下部にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!


リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。


https://ncode.syosetu.com/n6301hv/

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