224.空の上で
俺とメイベルはエア・バードにのって、帝都へと目指す。
俺が操縦桿を握る後ろで、メイベルは俺の腰をしっかり掴んでくる。
……メイベル。
彼女の鼓動が伝わってくる。彼女が、生きてるという事実が……俺を幸せな気分にしてくれる。
「ガンマ……」
メイベルが鼻をすすりながら言う。
「……怖かった」
……そうだよな。
メイベルは魔蟲と内通していた皇国の連中によって拉致された。
ついさっきまで、敵地でひとりぼっちだったのだ。
……寂しくって、当然だ。
「ごめん……メイベル」
俺は右手を操縦桿から離し、彼女の手に重ねる。
「俺が不甲斐ないばかりに……」
「ううん、違うの。そういう意味じゃなくって……」
「?」
メイベルが顔を近づけてくる。
振り返ると、彼女がキスをしてきた。
「…………」
「あなたと再開できて……凄くうれしかったよ、って言いたかったの」
「…………そっか」
じわじわ、と俺の胸を温かな気持ちが満ちていく。
「俺もだよ」
「そか」
「うん……」
気恥ずかしくなって、俺は顔を逆側に向ける。
そこには……。
「よぉ」
ニヤニヤ笑ってる、マリク隊長がいた。
……しまった、付いてきてるんだった!
「青春してるねえ。おじさんのことはほら、気にしなくて良いからほら、ちゅっちゅしなよ」
「「しませんっ!」」
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