210.超越
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
時王の神眼とかいうアイテムを使って、魔蟲王は時間を止めていることがわかった。
俺は……その事実を聞いて、笑った。
「その程度……だって?」
人外となったジョージ・ジョカリ。
人を超越した彼は、ここに来てから終始、人間らしい感情を一度も見せてこなかった。
そんな中で初めて、彼の表情に、変化が起きた。不愉快そうに顔をゆがめたのだ。
「私の力は人を超えた神の力。それを、その程度だと言うのかい?」
「ああ」
俺はまっすぐ魔蟲王の顔を見ながら言う。
ぎり、と魔蟲王が歯がみするのがわかった。……いいぞ。もっとだ。
もっと感情的になれ。
「時間を止めることが、どれほど凄いことか君はわかってないようだね」
「そうか?」
「そうだ! この世界のいったい誰が、時間をとめられるという? どこにでもありしかし決して触れられぬ絶対的存在! それが時の流れ!」
やつの怒りのボルテージが上がっていくのがわかる。
よほど、時止め能力を馬鹿にされたのがカチンときたのだろう。
「誰も触れられないものに触れ、自在に操る。それはまさしく神の所業じゃないか! 私は神となったのだ!」
誰にも触れられないものが、時間だけだと思ってるらしい。
ふっ……。
「何がおかしい!?」
……嗤った? 否、笑ったのか、俺。
そうか、笑ったのか。そうだよな。
「いや、寂しいやつだなって思ってな。形のない、誰にも触れられないものが、時間しかないって思ってるなんてよ」
「なんだその言い方は! まるで……その存在を貴様も知ってるとでもいいたいのか!?」
「ああ、もちろん」
俺の目には、魔蟲王の心の余裕が揺らいでるのがわかった。
彼から発せられる感情は、怒り……だけじゃない。不安も混じっていた。
「教えてやってもいいぜ、魔蟲王?」
「調子に……乗るなぁあああああああ!」
魔蟲王の目が黄金に輝く。
ああ、やはりそうだ。
「時を止められる私は無敵なのだ! 死ねぇえええ!」
そして……時は止まる。
だが……。
バツンッ……!
「ぎゃああ!」
魔蟲王が後ろに吹っ飛ぶ。
「ど、どうなってるんや……? 魔蟲王が時間を止めたと思ったら、急に後ろにふっとんだで!?」
妖精のリコリスが驚いている。
一方、フェリサは俺を見て驚いていた。
そして……悲しそうな目を俺に向けてくる。
「大丈夫さ、フェリサ。俺は……大丈夫だ」
ぱき……ぱきき……と俺の体が、昆虫のような外殻で覆われていく。
「なんだ!? どうなってる!? 確かに私は時間を止めたはず!?」
「そうだな。止めたよ」
「ではどうして!? 攻撃が当たったのだ!?」
はっ、と魔蟲王が俺を見て目をむく。
俺は……さっきまでとは、まるで違った見た目をしてる。
彼の目の前には、黒い鎧を全身に纏い、同じく黒い弓を持った……異形が立っているのだから。
「だ、誰だきさまぁぁ……!」
俺は弓を構え、答える。
「俺はガンマ・スナイプ。胡桃隊の、狙撃手だ」
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