表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

199/242

199.理由



 ジョージ・ジョカリは魔蟲王の胎児を食らって、魔蟲の力を手に入れたらしい。


「あり得ないですぅ……」


 ジョージの妹、リヒター隊長が首を振る。


「魔蟲をただ食べたところで、魔蟲の特性を得られるわけがないのです。魔蟲の体組織は人間にとって毒素のモノ。ガンマ君たちは、少量の毒を幼い頃から摂取していたから、生きながらえてるだけですぅ」


 つまり、大人になってから急に食ったジョージは、魔蟲の毒で、本来なら死んでしまう……といいたいらしい。


「勘違いしないでおくれ、愚妹。私はなにも、大人の姿になってから食べたわけじゃないし、正確に言えば……私は虫を食ってはいない」

「どういう………………?」


 リヒター隊長が困惑する。

 だが、俺はその話を聞いて、もしや……と思った。


 俺の目は、すべてを捕らえる。

 ジョージ・ジョカリの体。それは……一度見たことある、やつの体とは、別のもの。


 まさか……。


「その、体……魔蟲の胎児そのもの!」

「ほう……気づいたようだね。さすがガンマ君。いい目をしてる」


 俺の言葉を聞いて、リヒター隊長も気づいたようだ。


「……魔蟲の胎児を摘出し、その脳に、自分の脳を……移植したのですかぁ……?」


 つまりやつは、魔蟲の体に、人間の脳を移植した、ということだ。


「正解。だが正解にたどり着くのが遅かったね。さすが、愚妹」

「……クレイジーです。あなたは……完全にいかれている!!!!!」


 自分の目的のために、自分の体すら捨て去って、魔蟲と融合してみせるなんて……。

 リヒター隊長の言うとおり、正気とは思えない所業だ。


「君らの共感なんて得られなくていい。私は……満足だ。私の理想を、実現できたのだからね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ