193.ありったけ
オスカーが錬金武装に魔力を込めている。
その間に、時間を稼ぐことになったBチーム。
マリクはサングラスをかけなおしながら、人面樹たちにむかって言う。
「来やがれ、植物人間ども!」
オスカーから、敵の注意を、こちらに向ける必要がある。
マリクが異空間から、爆弾を取り出す。
マリク玉。魔道具師マリクが作った、魔法が付与された特別な爆弾だ。
「おまえらぁ! ド派手に暴れるぞぉ!」
アイリス、リフィルがうなずく。
「錬金武装……!」
アイリスが自分の武装を展開。
地面に、無数の剣が突き刺さる。
アイリスは能力、影呪法を使う。
地面から、無数の影の魔導人形たちが出現した。
「ゆけ、影の軍勢!」
妹、メイベルの魔導人形から着想を得た、影魔導人形。
彼らに、対魔蟲武器を装備させて、人面樹に襲わせる。
錬金武装は魔力をかなり消費する。
ゆえに、彼女は奥の手を取っていたのだ。
リフィルは魔族の姿で、さっきやったように、生命力を人面樹に流し込み続ける。
「うっしゃあ! おらおら! くらええ、マリク玉バーゲンセールだぁ!」
異空間から無数の爆弾がまろびでて、あちこちで爆発を起こす。
……閉じられた空間で、爆弾を使うなんて自殺行為だ。
だが、そこは天才魔道具師。
彼の作った爆弾は、なんと、味方にダメージを与えないのだ。
魔力を識別し、攻撃する対象を絞ることができるのだ。
その結果、アイリスたちは無傷で、爆弾が破裂しまくるなか、戦えていた。
オスカーは魔力を限界まで、武装に込める。
もう……これで動けなくなってもいい。
そんな気概で、武装を展開しようとしている。
(リューウェンは強い。そんな強者を配備してるってことは、この部屋の向こうにきっと、メイベルや皇帝陛下がいるはず……!)
ここで倒れれば、もうこの戦いでは役に立たないだろう。
友に加勢しに行くことは、できなくなってしまう。
けれど……。
(僕は、友との約束を守る! メイベルを助け出す!)
強い決意とともに、体から大量の魔力が吹き出す。
魔力と精神力は非常に密接な関係にある。
強く思えば思うほど、魔力を大量に出力できるのだ。
「うぉおおおおお! ありったけの魔力を……今、ここに!」
そして、武装に魔力が貯まる。
「錬金武装・超過駆動!」
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