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174.敵陣

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。


《メイベルSide》


 ガンマたちが団結している、一方その頃……。

 胡桃くるみ隊の錬金術師、メイベル・アッカーマンは目を覚ます……。


「ん……」

「おや、目が覚めたかい?」

「! あんたは……確かジョージ・ジョカリ!」


 メイベルの目の前にたっていたのは、白衣の男、蟲師ジョージ・ジョカリ。

 リヒターの兄であり、裏切り者。


 彼は魔蟲族に力と知識を貸し、人類を滅ぼそうとしている。

 つまり、メイベルにとっては仇敵といってもいい。


「また君捕らわれたのかい? お姫様願望でもあるのかな?」

「うるさい!」


 がんっ、とメイベルは何かに頭をぶつける。

 そこで、カノジョはようやく気づく。


 自分の目のまえに透明な壁があることに。

 そして全裸にされて、緑色の液体のはいった、容器に入れられてることに。


「!?!?!?!?」


 メイベルはすぐさま口を閉じる。

 だが耐えきれなくなって、ごばっ……と息を吹き出す。……呼吸が出来る?


「ああ、そのカプセルの中だと呼吸が出来るんだよ」

「早く言え……って、カプセル? なにここ!」

「そりゃ、ここは私のラボで、君は実験カプセルに入れられてるんだよ」

「ラボ……? カプセル?」


 改めて、メイベルは周りを見渡す。

 そこは真っ白な空間。いくつもの、緑色の液体の入ったカプセルが置いてある。

 メイベルはそのカプセルの一つに入れられていた。

 ……なんのため?


 彼は実験といった。まさか……。


「まあ、君には実験体になってもらうよ。私の目標をかなえるための、実験だね」


 そう言われて脳裏をよぎったのは、夏合宿の時に見た、蟲人間のことだ。

 人間と魔蟲、二つを無理矢理組み合わされた……あの異形の化け物。


 ぞく……とメイベルの背筋に悪寒が走る。

 自分もあんな化け物にされてしまうのか……?


 だが、今は敵の前にいる。

 弱い姿は見せられない。帝国を守る軍人として、メイベルは行動する。


「ラボって……どこにあるの?」

妖精郷アルフヘイム……ってご存じ?」

「確か帝国の北側に広がる、大森林……? 魔蟲の巣があるっていう」

「その通り。妖精郷アルフヘイムは豊富な資源がありながら、中には魔蟲の群れがあって近づけないでいた。しかし私は魔蟲と手を組むことで、中に入ることに成功した」


 ここは帝都からそう離れてない場所のようだ。

 このことをガンマたちに伝えないと……。


 そのとき、メイベルは気づく。

 ジョージの足下の影が、少し……うごめいたことに。


 メイベルはすぐさま、気づいた。他でもない、家族がそこにいるから。

 メイベルは安堵のあまり泣きそうになる……。


 だが、今はそれよりやることがある。

 メイベルも、そして姉も、わかっている。


妖精郷アルフヘイムにあたしなんて連れてきてどうするのさ」

「まあ君だけを拉致するのが目的じゃあないよ。必要なのは皇族さ」

「皇族……って、まさか……陛下!?」

「そ。皇帝陛下が次の実験必要だったからね。ご足労願ったのさ」


 あの大規模な作戦は、皇帝を拉致するために行われたということか。


「陛下になにさせるき?」

妖精郷アルフヘイムの秘宝を手に入れるための、鍵となってもらうんだよ」

「秘宝……?」

「ああ。この森の奥地に、遺跡があってね。そこは現皇帝にしか入れない場所なんだ」


 だから、連れてきたというわけか。

 

「当然、それを邪魔する輩もくるだろうから、それを迎え撃つための準備も進めている……っと、情報はこれくらいでいいかな? アイリス・アッカーマンくん?」


 ジョージは自分の足元を見て言う。

 恐らく姉の存在に気づいていたのだ。


「逃げて! お姉ちゃん!」

「……メイベル。必ず助ける」


 そういって、姉の影の分身は消える。

 敵に情報がもれたというのに、ジョージはまったく動揺を見せない。


「さ、楽しい実験ショーのはじまりだ」

  

【★☆★読者の皆様へ 大切なお知らせです★☆★】


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