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172/242

172.


 俺、ガンマ・スナイプは剛剣のヴィクターとの戦いに勝利した。

 その後、一旦帝都へと戻った。


 帝都はひどい有様だった。

 建物のほとんどが壊されている。だが、阿鼻叫喚の地獄絵図……とまではいっていなかった。


 けが人や死人が、見当たらないのだ。

 おそらく俺の所属する部隊……胡桃隊のみんなが頑張ってくれたからだろう。


「よぉガンマ」

「隊長! 無事でしたか!」


 見覚えのあるリスが、瓦礫の上でたばこを吸っていた。

 彼はマリク。俺たち胡桃隊の隊長だ。


 急いでマリク隊長の下へいき、ひょいっと持ち上げる。


「勝ったか?」

「ええ、勝ちました」

「そっか。あのやべえやつを一騎打ちで勝つなんて、ほんと、おまえはたいしたやつだよ」


 にっ、と隊長が笑ってみせる。仲間の敵を排除できたことが誇らしくて……けれど、まだ状況はいいとは言えない。

 

「他の連中もおのおのの敵を撃破したところだ」


 現在、帝都は魔蟲族どもの襲撃にあって、壊滅状態にある。

 現れた強敵を、俺の仲間達が手分けして倒した。だが……メイベルは敵に連れ去られてる状況だ。


「……メイベル」

「ま、あいつなら大丈夫さ。それにあいつの姉ちゃんも追いかけてるしよ」


 連れ去られたメイベルのことを、姉アイリス隊長が追跡してる。


「アイリス隊長からの連絡は?」

「そろそろ来るんじゃあないか……? っと、言ってるそばから」


 頭上を見上げると、1匹のカラスが、俺たちの上で旋回していた。

 カラスは俺の肩に止まると、ぱしゃりと水のように消える。


「アイリスの能力で作った、影のカラスだな」


 肩には1枚の羊皮紙が巻かれた状態で置いてあった。

 俺はそれを手に取って、隊長に渡す。


 隊長は書類を読み……はぁ、と息をつく。


「隊員を招集だ。作戦会議を開く」


【★あとがき】

なろうで連載中の、有名VTuberの兄、書籍版がいよいよ発売されます!


11/15にGA文庫から発売!


予約始まってます!


よろしくお願いします!


https://www.sbcr.jp/product/4815619374/


挿絵(By みてみん)

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