167.持ち味
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2巻、本日発売です!
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虫けらことヴィクターのやつが、俺にえらそうに説教を垂れてきやがった……。
俺が戦士だぁ?
戻って、こいだと……?
「俺より雑魚の分際で、いきってんじゃあねえよ」
俺は魔蟲弓を手に取って、ヴィクターへ魔法矢を放つ。
だが……やつは攻撃をよけなかった。
魔法矢はやつの直ぐ横を通り過ぎていって、背後で大爆発を起こす。
「やはり、力が増大しすぎて、御し切れていないな」
「くっ……!」
弓を持ってる腕に力が入りすぎてしまう。
いつもはもっと軽く弓を引いてるのだが……。
感覚と実際の込められた力の具合が異なる。
だから、狙いがずれてしまうのだ。
「くそっ!!!! 星の矢!」
どば……! と無数に分裂する矢が放たれる。
「狙いがしぼれないから、数打ちゃ当たる……か。くだらん!」
ヴィクターは剣を一振りする。
ごぉお! と突風が発生すると、魔法矢が横に逸れていく。
……一発も矢が刺さっていなかった。
「ガンマ、精密性こそがおまえの本当の持ち味。……だが、弓を新しくし、パワーは向上したことで、おまえの長所を殺してしまってる……!」