165.天才の所業
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合成矢。二つの魔法矢を組み合わせる技術。
合成矢を考案したのは他でもない俺だ。
それまで魔法矢ってやつは、単体で使うのが常識だったらしい。
だがそれは凡人の思考だ。
通常はこれ、一般はこれ、などという凝り固まった考えしかできない雑魚の思考である。
特別でアリ天才である俺は、ちがう。
凡人の持つ定規では、俺の常識は測れない。
そんな俺ができると思ったのだ、できて当然なのだ。
さて、合成矢なのだが、実は俺、もっとすごいことを思いついたんだよね。
つまり合成矢で作った魔法矢に、もう一つ、魔法矢を合わせるんだ。
矢を二つ合わせる、一つにできるなら、それを一つと捉えてもう一つ加えることができるんじゃあないかって。
天才の俺は考えついちゃったわけ。
で、できちゃうわけだ。
星の矢を二つ合わせて、さらにそこに星の矢を組み合わせる。
するとどうなるか?
答えは、目の前に広がる光景。
そらから降る、無数の星々のように、銀の矢が地上へと降り注ぐ。
さながら流星群だ。
広範囲にわたって無数の魔法矢が降り注ぐ。
地面はもう穴だらけ通り越して、平地になっていく。
凹凸はすべて削られ、生物は立って居られなくなる。
流星群は辺り一面を、ヴィクターごと更地に変えたのだった。
ま、これくらいはできて当然だよな。