164.進化するガンマ
今の俺に愚かにも勝負を挑んできた害虫野郎、ヴィクター。
俺はじーさんからもらった弓と深くつながることで、圧倒的なパワーを手に入れていた。
ヴィクターは降参すりゃいいのに、バカなのか、挑んでくる。
彼我の実力差なんて火を見るより明らかなのにな。
「ガンマ……今の貴様に勝っても嬉しくない」
「はぁ~? なんだそれ、立場を理解してねえのかおまえ? あほなの?」
ヴィクターはボロボロで膝をつき、肩で息をしている。
一方で俺はもう余裕も余裕。
長時間戦っていてもまだまだいけるぜ。
これなら俺がいれば、帝都をひとりで守れてたな。
「ガンマ。おまえは今、蟲に犯されてる」
「うるさ。死ねよ」
ばつんっ! とヴィクターの腕が吹き飛ぶ。
腕が消えた後に、ヴィクターは悲鳴を上げた。
おいおい、この程度の速度についてこれないわけ?
ったく、弱いなぁこいつ。
「なにが蟲に犯されてるだよ」
「……本当だ。貴様の血、おそらく我ら魔蟲族と同じ色をしてるはずだ」
……なんだこいつ。
訳わかんねえこと言うなよ。
「もういいや、さっさと殺して帰る」
俺は弓を引く。
「星の矢プラス星の矢。そして……星の矢」
合成矢だ。
ザコは2つ混ぜるだけで精一杯だろうが、才能にあふれる俺には、三つ混ぜることなんて造作も無い。
俺は弓を構え、そして3つ合成した矢を放った。
「流星群」




