158.捕まえる
【★おしらせ】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
肉弾のフンコロがこちらに向かって、凄まじい早さで特攻してくる。
フェリサはその場から動かず待ちの態勢だ。
リコリスが固唾をのんで見守る中……。
フェリサは両手を広げて……そして、正面から……。
がしぃいいい!
『な!? なんやてえええええええええええええええ!?』
なんとフェリサはフンコロを受け止めていたのである。
「ば、馬鹿な!? なぜわたくしを受け止められる! 真球だぞ!? 触れると必ず消滅する最強の球体に、なぜふれることができるのだ!?」
リコリスは気づく。
フェリサがフンコロ自体をつかんでいないということに。
『! そうか……! フェリサ姐さんは……空間をつかんでるンや!?』
「なっ!? く、空間を!?」
そう……フェリサは正確に言えば、フンコロに触れていない。
なにもない部分を……いな、フンコロの周囲の空間をつかんでいるのである。
『そうか……そういうことか! ふしぎやったんや、フンコロのやろうが、回転しながら進んでいるってことに!』
触れた物を消し飛ばす真球。
それが転がっているのは、おかしい。
なぜなら進んでいる以上、地面と接していないといけないからだ。
摩擦による反作用がなければ、前に進めないからである。
ところが地面はえぐりとられていた。
地面との摩擦は生じていない。
ならやつはどうやって進んでいるのか……?
『やつは空間に対して……もっといえば、空気を引き裂くことによる反作用で前に進んでいたんや!』
つまりやつの空間……周りの空気ごとつかめば、すすむことができない。
「く、空間をつかみ取るだと!? ばかな、そんなことが可能なのか!」
『へん! 馬鹿め、フェリサ姐さんをなめんな! この人は人外魔境出身の狩人! ガンマの兄さんと同じで、人間にできないことができるんや!』
正確に言えば、フェリサは空気の音を聞いていた。
空気と空気がぶつかるときに生じる音。
そこから、空間の面というものをとらえていた。
独自の空間把握能力を使い、つかむことのできない空気の面を捕らえたのである。
『はっ! つかんだからどうしたというのだ! わたくしめに触れられないことには変わりない!』
確かにそのとおりだ。
直接触れると消滅するから、空間ごとつかんで捕らえただけである。
そこへ……。
フェリサの腕の筋肉がぼこりと、隆起する。
『まさか……!』
フェリサは勢いよく……。
フンコロを、頭上に放り投げた。
「ふぎゃぁああああああああああああああああああああああああああ!」
凄まじい勢いでぶっ飛んでいくフンコロ……。
やがて彼は見えなくなった。
『そうか! 宇宙空間にほうりだしたんやな! あっこなら空気がない。だから、いくら回転しても前に進めない!』
実質、地上に戻ってこれないということである。
『姐さんの勝利や……! すごいで!』
【★新作の短編、投稿しました!】
タイトルは――
『最強【結界師】の気ままな新婚旅行〜弱すぎる味方に最強結界を施してたのに、自分が強くなったと勘違いした勇者に追放された。効果が永続じゃないと気づいても遅い、俺を溺愛してくれる幼馴染と旅してる』
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