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【完結】S級パーティーから追放された狩人、実は世界最強 ~射程9999の男、帝国の狙撃手として無双する~  作者: 茨木野
第3章

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151.冷酷なる剣士



《シャーロットSide》


 帝国を魔蟲族に襲撃されている。

 同盟国であるはずの、神聖皇国の裏切りにあい、帝都は大混乱を起こしていた。


 胡桃くるみ隊の副隊長、シャーロットは、皇国の聖女シャンテ(リューウェンの相棒)とともに、戦闘を繰り広げている。


「はんっ! あたいのタネが割れただって!?」


 シャンテは炎の虎の姿で、シャーロットの前に立っている。

 彼女の体からは感情の高ぶりに呼応するように、ぼうぼうと炎が燃え上げる。


 一方で氷の双剣をシャーロットは構えながら、その恐ろしい化け物をまえに平静を保っている。


「どこまでそのムカつく顔が保てるかな!」


 ボッ……! とまたシャンテが消える。 シャーロットは動かない。


 だが……。


 ザシュッ……!


「な、なにぃい!?」


 彼女の右斜めうしろに、炎の虎が出現してる。

 彼女の体を……。


 地面から生えた、氷柱つららが貫いていた。


「ば、馬鹿な……!? 目で追えるわけが……」

「あなたが消えたのは、時間停止といった特別な力ではありません。ただの、超加速です」


 シャーロットの剣が地面に突き刺さっている。

 そこから氷柱が伸びていた。


「氷剣技……【氷柱演舞】」


 彼女の氷の力を、地面に伝播させて、離れた場所に氷柱を出現させる剣技だ。


 シャーロットが続ける。


「あなたはその体から炎を勢いよく拭きだし、その推進力で高速移動していただけです」

「ば、ばかな……じゃあどうして目で追えたんだ!? あたいが後ろから襲いかかるとどうしてわかる!?」

「チャフです」

「はぁ……!? チャフ……!?」


 よく見ると、シャーロットの周囲に、白い煙が漂っていた。


「周囲に微細な氷をただよわせました。あなたを目で追えなくても、この煙の動きが、気流をうみ、それを読むことで先を読みました」

「なんだ……と……」


 ぱき……ぱきき……と徐々にシャンテの体が凍っていく。

 氷柱を通して、シャンテの熱が奪われていく。


 やがて彼女は氷の柱に閉じ込められ、身動きひとつできなくなった。

 シャーロットは息をついて、氷の剣を解除する。


「……ふぅ」


 こうしてシャーロットは敵の捕縛に成功したのだった。

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