149.真の姿
シャーロットは聖女シャンテと相対してる。
炎の爪で攻撃してくるシャンテ。
だがシャーロットは剣でいなし、逆の手の剣で容赦なく切りつける。
「ぎゃっ! こ、この……相手は女だからって手加減しないのかよ!」
シャーロットは手加減などしない。
会話もせず、ただ、淡々と敵を追い詰める。
彼女は先ほど、シャンテから年齢のことでいじられた。
ババアと言われたことで……キレちまったのだ。
「ちょ……! ま……」
距離を取ると、そこへ氷の剣が押し寄せてくる。
それも、10や20どころの話じゃない。
彼女の周りには氷の剣が、無数に飛翔してる。
「大気中の水分を、氷にしてやがるのか……!」
肯定もしない。
ただ蟲を潰すように、無感動に、氷の剣でシャンテを突き刺していく。
「く……くそ……!」
体中に氷の剣が突き刺さる。
シャンテは血を流しながら、敵をにらみつける。
あくまでシャーロットの目的は、敵の無力化、そして捕縛。
その上にいるだろう、上位存在を吐き出させるためだ。
ようするに、最初からシャンテのことを敵だとは思っていないのである。
「なめやがって……!!!!」
怒りに呼応するように、体から赤い炎が吹き出す。
炎はシャンテの体を覆い尽くす……。
「(なんだか知らないけど、早く倒した方がいい)」
シャーロットは氷の剣を無数に飛ばす。
突き刺し、凍らせようとしたのだが……。
ごぉおお! と剣を全て炎で溶かしてみせた。
「…………体の形が、変わってる」
シャンテは先ほど人間の姿だった。
しかし今は、巨大な化け物へと変貌している。
それは赤毛の、虎のような存在だ。
赤毛の虎は体から炎を拭きだしている。
「人間じゃなかったんですね、あなた」
『この姿になったらもうおまえはおしまいだぁ!』
ふぅ……とシャーロットは息をつく。
「まるで三下のセリフですね」
『うるさい!!!!!』
【★新作投稿しました!】
先日の短編が好評だったので、連載版はじめました!
『【連載版】迷宮の聖女は魔物達から溺愛されてる~追放された私、奈落の森に捨てられるも、神に祈りを捧げていたら、いつの間にかそこが聖域化していた「国が亡びるからと王子が君を連れ戻しに来たけど撃退しといた」』
ページ下部↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!
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