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146/242

146.策



 帝国にて。

 オスカーは魔蟲族、幻惑のモルフィンとの一騎打ちをしている。


 ……だが、実際には違う。


「(ガンマ……我が友よ。大変だろうに、ボクのサポートまでしてくれるなんて……!)」


 オスカーの隣には、魔法で作られた蜻蛉が飛んでいる。

 これはガンマのついさっき放った魔法矢だ。


 蜻蛉の矢(ドローン・ショット)

 自動追跡用の魔法矢である。


 それは、本来の使い方だ。

 

「くそ!」


 モルフィンが悪態をつきながら、こりもせず、分身を見せてくる。

 よほど幻術に自身があるのだろう。


 だが……今のオスカーには、ガンマの目がある。

 この蜻蛉の矢(ドローン・ショット)、ガンマと視界をリンクしている。


 つまりこの魔法蜻蛉の目は、ガンマの目がくっついてると同義。

 蜻蛉の矢(ドローン・ショット)は、見抜いてるのだ。


 分身の中の、どれが本物か。

 常人オスカーでは見分けがつかない。


 でも人間を超越する視力を持つ、ガンマなら……わかるのだ。

 そして蜻蛉の矢(ドローン・ショット)は教えてくれる。


 くんっ、と顔を向けることで。

 右後ろから襲ってくるのが、本体!


 オスカーは振り向くこと無く、銃口を、蜻蛉と同じ方へ向ける。


 どどぅ……!


「ぎぃやあああああああああああああああああああ!!!!!」


 放たれた銃弾が敵の顔面を吹き飛ばした。


「なぜぇええ……なんでぇえええええ……」


 倒れ伏すモルフィンに、オスカーは銃口を向けながら言う。


「我らがエースを、侮った。それが敗因だよ。ま、1対1に人の手を借りるのは、騎士道に反するけど……許してくれよ」


 オスカーは対魔蟲用の銃弾を、倒れているモルフィンに浴びせる。

 敵は蜂の巣になって……やがて、息絶えた。


 どさ……とオスカーもまたその場に倒れ伏す。


「ありがとう……我が友。君のおかげで……勝つことができた」


 だが、同時に悔しい思いをする。


「君ばかりに負担をかけてしまって……すまない。いつかきっと、君に並ぶ……強い軍人になる」


 そう、決意を口にするのだった。

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