144.意地
ガンマが戦う一方で、隊の仲間オスカーもまた、死闘を繰り広げている。
幻術使いの魔蟲族モルフィン。
敵は複数に分裂した現実を見せて、じわじわと、オスカーの体力を削っていく。
体の至るところから出血し、ついにオスカーはその場に膝をついてしまう。
「ふぅう……まいったねこれは……」
既にかなりの出血をしており、立ち上がる気力すら残っていない。
それでもその目は、まっすぐ敵を見つめている。
「気にいらないね、その目」
モルフィンが苦虫をかみしめたような顔になる。
「そうかい?」
「そうだ。追い詰められているのは、そっちだというのに。諦めの悪い害虫だこと」
ハッ! とオスカーが笑ってみせる。
「害虫は君たちだろう?」
「…………」
その発言が、モルフィンのしゃくに障った。
彼女はとどめを刺すべく、幻術で姿を消しながら、オスカーの背後に回る。
そのまま、鉄扇で首を落とそうとした……。
がきぃん!
「なに!?」
「はっ! やっぱりだね!」
オスカーは銃を、首の近くに立てていた。
銃の砲部分と、鉄扇がぶつかっている。
オスカーは密着した状態で、もう一丁の銃を取り出し、発砲した。
ドドドウ!
「ぎやぁあああああああああ!」
悶え苦しむモルフィンを、オスカーが見下ろす。
「どういうことだ!?」
「なに、幻術がいかにすぐれていようと、物理ダメージを与えられるのは本体のみだろうと践んでね」
敵の隙を作るため、追い詰められた振りをした。
最後は急所を突いてくるだろうと思い、待ち構えていた。
そして攻撃が当る瞬間にガードし、反撃をしたというわけだ。
「さて……反撃開始さ」
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