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【完結】S級パーティーから追放された狩人、実は世界最強 ~射程9999の男、帝国の狙撃手として無双する~  作者: 茨木野
第3章

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139.再戦



 帝都が突如として結界に覆われた。

 さらにメイベルが連れ去られる事態になる。


 ……焦る俺の前に現れたのは、魔蟲族の剛剣のヴィクターであった。

 カブトムシのごとく硬い鎧にみをつつんだ、化け物である。


 以前、故郷の人外魔境スタンピードで戦ったことがある。

 あのときは、危うく負けるところだった……。が。


「……どけ」


 俺は新しい錬金武装を取り出す。

 弓を展開し、光より早く矢を放つ。


 ヴィクターの脳天を狙った一撃。

 しかし……。


 ぎぃん! という鈍い音とともに、魔法矢が弾き飛ばされた。


「……以前より強く、速くなっているな」


 どういうことだ。

 闘気オーラを込めた矢を放った。


 しかも急所を狙った。

 対応できない早さでの一撃であった……はず。


 だというのに、なぜやつは……?


「惜しいな……ガンマ……」


 ヴィクターのやつは、なんだか悔しそうに歯がみしていた。

 なんだ、それは。


 化け物のくせに、人間らしい感情を見せるんじゃねえ。

 だがはじかれた魔法矢は空中で鳳へと変化し、襲いかかる。


鳳の矢フェニックス・ショット】。

 自動追尾矢だ。


 しかし、これもヴィクターが剣でたたき切る。


「万全のおまえと戦いたかったぞ……ガンマ」


 ヴィクターが消える。

 だが俺の目には、やつの動きがはっきりと見て取れた。


 間合いまで踏み込んできて、一撃を放ってくる。


竜の(レーザー……)……」


 いや、待て。

 ここで竜の矢なんて放ったら……味方にも……。


「遅い」


 ヴィクターの剣が俺の腹部に激突する。


「がっ!」


 俺はすさまじい勢いで吹き飛ばされて、帝城の城壁に体をしたたかにぶつける。


「ぐぅ……」


 早さは、たいしたことない。

 この目で追える程度だ。


 なのに、なぜだ。

 なぜやつの攻撃を、避けられなかった。どうして……。


「迷いが見えるぞ、ガンマ。そんなに気になるものがあるのか? この戦いよりも」

「!」


 そうだ……俺は、帝都の人たちを……。

 そして……メイベルを……。


 今すぐにでも守らなきゃいけない。


「弱くなったな、ガンマ。……実に、実に、残念だ」


 弱くなっただと……?

 そんな馬鹿な。


 新しい武器を手に、そして闘気まで身につけた。

 以前よりも強くなっている……はずだ。


 だというのに……。

 俺は、ヴィクターに後れを取っている。


「いや、失言だった。すまなかった、ガンマ」

「んだよ……突然」


 俺は星の矢(アサルト・ショット)を放つ。

 無数に分裂する、小さな矢が、まるで機関銃のように放たれる。


 ヴィクターはその場から動かず、また、剣すら振るわない。

 これは陽動だ。


 俺は案山子の矢(ダミー・ショット)で分身を作り、ヴィクターを夾撃する。

 だがやつは剣を使って、本物の矢をたたき落とし、俺のもとへ接近。


「ぬぅん!」

「がっ!」


 またも、やつの攻撃を受ける。

 ばかな……一度ならず、二度も敵の接近を許すなんて!


 目は、目は追えてるんだ。

 獲物の早さを捕らえることができている。


 ……やっぱり、別の要因が戦いの邪魔をしてるんだ。

 ……メイベル。


「……すまない、ガンマ。これは、戦争なのだ」


 痛みで動けない俺に、ヴィクターが剣を振りかざし、そして……。


 がきぃん!


「しっかりしろ! ガンマ……!!!」

「あなたは……」


 そこにいたのは、メイベル・アッカーマンに、とてもにた……女性だ。

 長い髪に、黒い鎧……。


「アイリス隊長……」


 メイベルの姉、アイリス・アッカーマンが、ヴィクターの攻撃を受けていたのだ。


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