135.聖騎士の裏切り
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ガンマの同僚、メイベルはゴーレムを伴って聖騎士の後を付ける。
聖騎士達が人の少ない裏路地へと入る。
複数人でこそこそとしてるところに……。
「動かないで!」
上空から、メイベルが作ったゴーレムが複数体降りてきて、聖騎士たちをあっという間に取り押さえた。
ゴーレムといえば、重く動きが遅いと思われがちだ。
しかし、メイベルのゴーレムは天才魔道具師マリクと、天才技術者のリヒターの助力もあって、超強化されていた。
魔蟲の死骸から採取できた、素材。
魔蟲の体を動かす強靱な筋肉繊維。
それを錬金の魔法で加工して、己のゴーレムに組み込んだのだ。
結果、魔蟲なみの膂力を持った、小型で、人型のゴーレムが完成。
人間を超越した動きをしても、魔蟲の素材によって強化された筋繊維がきれることはない。
結果、よりしなやかに、より素早く動ける人形を、実現して見せたのだ。
そして新造ゴーレムの手には銃が握られている。
対魔蟲用の秘密兵器として開発された、銃。
それをゴーレムに装備する。
銃とゴーレムの組み合わせは、ガンマが発案した物だ。
ゴーレムならいくら死んでも問題ない。画期的なアイディアだ。
新造ゴーレムに、銃。
まさに鬼に金棒。
それを複数体率いるメイベルは、もはや一人で一軍隊並みの兵力を持っているといえた。
そんな力を持ったメイベルに、聖騎士達がかなうわけがない。
……ただの、聖騎士では。
「お嬢さん……どいてくれでござる」
「! リューウェン……」
どがん! という音とともに、路地の壁が壊れる。
もうもうと沸き立つ土煙の向こうから現れたのは、巨漢。
聖騎士のリューウェンだった。