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129/242

129.備え

モンスター文庫から、

1/28に書籍版発売です!


挿絵(By みてみん)



 俺は軍服に着替え、妹のフェリサとともに、胡桃くるみ隊の詰め所へと向かう。

 生誕祭だからか、街にはかなり人がいた。


「おおいな」

「…………」ねー。

「うるさくないか?」

「…………」ふふん。


 フェリサは耳に、筒みたいな物をくっつけている。


「なにこれ?」

「それはですねぇ」

「うぉお! リヒター隊長!」


 目の下にクマを作った、怪しげな白衣の女が現れる。

 手には雲のようなものが握られていた。


「なんですそれ?」

「これは綿飴っていう、最近発売されたおいしいおいしい綿菓子ですよ。食べます、フェリサ君?」


 フェリサが目をキラキラさせていたので、リヒター隊長は苦笑すると、妹に譲ってくれた。


「ありがとうございます」

「いえいえ。で、フェリサ君のこの耳のこれは、ヘッドホン。外部の音を意図的に小さくすることができる魔道具です」

「ヘッドホン……」


 耳を覆う筒が二つ、そして、それらをつなぐブリッジという形だ。

 なるほど、この人混みでもフェリサが倒れないのは、このヘッドホンってやつが音量を調節してくれるからなのか。



「通信用の魔道具も組み込まれてますよぉ。はいガンマ君、最新式の通信魔道具」


 隊長が俺にイヤリングを放ってよこす。警備任務の時によく使うものの、最新版ってことか。


「マップを表示できるようになってます。お互いの位置もある程度わかるかと」

「マップ……」


 俺はイヤリングをつける。

 念じると、目の前に半透明のマップが出現した。


 すごい技術だ……。


「これ作ってて寝不足なんですか?」

「ええ……ふぁあ……何があるかわかりませんからね。備えておかないと」


 ……備え、か。確かに必要だよな。

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