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128/242

128.始まり



 俺は軍服に着替える。

 今日は生誕祭。


 皇帝陛下の誕生日を祝うため、たくさんの要人が帝都へとやってくる。

 今日は、いつも以上に気合いを入れて任務に挑まないといけない。


「……はぁ」

「…………?」


 俺の部屋に、妹のフェリサがやってきている。

 朝練を終えて部屋に戻ると、俺のベッドを占領していたのだ。


 いつも薄着の彼女が、この日はしっかりと軍服に身を通していた。

 灰色の軍服だ。


 どうしたの、と目で訴えてくる。

 彼女は耳がいいため、あまり声を出さないのだ。


「いや、生誕祭……大丈夫かなって」

「…………」むふー。


 俺なら大丈夫、って言いたいみたいだ。俺は目が良いので、表情からある程度感情が読み取れる。特に、長年一緒の妹の表情は、手に取るようにわかる。


「いや、気にしてるのは、仕事じゃなくてメイベルのことでさ」

「…………?」


 なんですと、と意外そうに目を丸くするフェリサ。


「今メイベルとけんかしててさ」

「…………」ほぅ。


 詳しく聞かせて欲しいらしく、ベッドから降りて近づいてきた。

 目がキラキラ輝いてる。恋愛ごとに興味を出す年頃になったのか。


「ませたなおまえ」

「…………」えへへ。


 何が嬉しいのだろうか。


「…………」くいくい。


 言ってみ? とばかりに、フェリサが自分を指さす。

 ……妹にまで気にされちゃ、な。兄としてさすがにそれはね。


 弱い部分をあんまり妹には見せたくないのだ。お兄ちゃんだからな、俺は。


「大丈夫だって。きにしてくれてありがとう」

「…………」むー。


 あれ、フェリサが不満そうだ。気を遣ったのがまずかったか?


「すねるなって。ほら、飯食って任務にいくぞ」

「…………」ぬー。




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