114.闘気を操る
俺はリューウェンの使っていた技術、闘気について、リヒター隊長からレクチャーを受けた。
魔蟲族も使っているという、この技術。
この先の戦いにおいて、是非身につけておきたいところ。
「使い方ってどうするんですかね」
「使ってる人に聞くのが一番じゃないですかねえ」
魔蟲族か、リューウェンか。
前者は論外だ。となると、リューウェンに教えを請うほかない。
「…………いや」
でも、俺は。
人外魔境での出来事を思い出していた。
新しい武器を手に入れて、巨大毒蛾を一撃で葬った……あのとき。
体をほとばしる、不思議な力の本流に身を任していた。
そして……リューウェンとの戦いの中で感じた、あの力の波動。
その二つは同じ物だったのではないだろうか。
「すぅ……はぁ……」
「ガンマ君……?」
毒蛾をたおしたときの、あの全身にみなぎるパワー。
あれがもし、目から湧き出た物だとしたら……。
目の中にある、エネルギーを取り出す……。
そして、リューウェンのように、体に纏わすと……。
ゴォオオオオオオオオオオオオオ……!
「な、なんですかぁ……!?」
「え……?」
俺の体から、黄金色のエネルギーが吹き出ているのだ。
「まさか……。これが? この黄金のオーラが……闘気?」