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103/242

103.聖騎士



 生誕祭にそなえ、俺たち帝国軍は、外部から来た騎士たちと合同訓練をしている。

 神聖皇国のメンバー達は、みな白金の鎧に身を包んでいた。


 特にそんななかでも、リューウェンはひときわ体が大きく目立っている。

 

「よぉ、ガンマ。聖騎士は初めて見るか?」

「マリク隊長……聖騎士って?」

「神聖皇国の騎士のことだ。聖女を守る役割を持っている」

「聖女……」


 そういやあの山猫のミーシャも聖女とかいっていたな。

 どんな奴らなんだろうか。


 リスボディのマリク隊長が、俺の肩の上に乗っかる。


「神聖皇国はよ、聖女っつー特別な女が生まれやすいんだ。彼女たちは聖なる魔力をその身に宿している。が、その魔力は攻撃魔法に転じることが一切できない。もちろん身を守ることもな」

「なるほど……それで聖騎士が守ってるんですね」

「ああ。特にあのでけえはげ頭をふくめた13人の強い聖騎士を、【13使徒】っていうらしい」

「13使徒……」


 リューウェンの肉体は巨岩を思わせるほどゴツく、力強い。

 あんな男と同格のやつが残り12人も居るのか。


 ……いや、だとしても。


「たった13人で国を守れるんですかね」

「ほぅ……その心は?」

「俺、こっちに来て考えが変わりました。結局数は強いんだって」


 俺はこないだ、故郷である人外魔境スタンピードにいってきた。

 その間にも帝都は魔蟲による被害を受けていたらしい。


 けれどリヒター隊長が作った銃と、帝国軍人達の連携の取れた動きによって、敵を排除できたそうだ。


 俺たち魔蟲族と戦うのがメインの主力部隊がいなくても、数の力で、連携して戦って、勝てる。

 それが組織の力なんだって、痛感させられた。


「まあガンマの言いたいことはわかる。だがあいつらも相当鍛えてるぜ?」

「その通りでござるよ」


 リューウェンが近づいてくる。

 その手には棍棒が握られていた。


 にっ、とリューウェンが笑う。


「ガンマ殿。あなたは強いと隊長殿からうかがった。そこでお願いがあるでござる」

「お願い?」

「拙僧と、手合わせ願いたい」

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