102.リスは喋らない
リューウェンのバディを探し当てた後、俺たちは軍部へと向かう。
忘れてしまうところだが、今日は生誕祭前の合同訓練の日だ。
本来の集合時間から結構遅れてしまった。
「すまなかったでござるな、お二人とも。拙僧達のせいで、おそらくは遅刻であろう」
「気にすんな。それに、うちの隊長はそんなことじゃ怒らないよ」
ほどなくして、俺たちは軍部に到着。
庭では既に合同訓練が開始されていた。
軍服を着たリスこと、胡桃隊隊長のマリク・ウォールナットさんが俺に気づく。
「よぅ、迷子は見付かったかい?」
「ええ、問題なく」
「そうかい。そりゃなによりだ」
ぽかん……としているリューウェン。
多分隊長があっさりおれらを許したのに、びっくりしてるのだろう。
「な、なんと! り、リスが!」
「リスがしゃべってんじゃねえかぁあああああああああああ!」
あ、そっちに驚いてるのか……。
「そんな驚くことか?」
「え!? むしろなんでそんな驚いてないのでござるか!? リスでござるよ、リス! しゃべるわけないじゃないでござるかー!」
……い、言われてみれば確かに。
なんか、隊長がリスなのが当たり前すぎて、特段不思議に思っていなかったが……。
ふっ、とマリク隊長がかっこつけた調子で不敵に微笑む。
「確かにただのリスじゃあ、しゃべれないわな。しかーし! おれは特別な……うわっ、こら、なにすんだー!」
いつの間にか山猫聖女のミーシャが、隊長のしっぽをつかんで、興味深そうに見てる。
「なあ、リュー! これ食っていい?」
「「だめです!」」
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