再会議
「みな、よく集まってくれた」
翌朝、結局王宮に泊まることになった私は、セシリアとともにふたたび王様の前にいた。それだけじゃない、王子に宰相閣下にフランにマリィお姉さまにグラストン、とあの場にいた主要メンバーのほとんどが再集結していた。婚約者を連れたクリスと、相変わらずモーニングスター家のブローチをつけたケヴィンの姿もある。
いないのは、倒れたランス伯と王妃様くらいだろうか。
もうひとつ違うことといえば、部屋が大広間から作戦室に変わったことだろうか。
ギャラリーを集めて行っていた大法廷と違い、関係者だけの会議ということらしい。
「昨日発生した、ランス領の反乱について話したいと思う。……ギュスターヴ」
「はっ」
国王陛下の指示を受けて宰相閣下が前に出る。その瞬間、作戦室のドアが乱暴に叩かれた。
「誰だ」
「私ですわ、陛下」
入ってきたのは、カーミラ王妃殿下だった。
優雅な足取りで部屋に入ってきたかと思うと、当然のように作戦室の椅子に座る。
「あなたは、逆賊を迎え入れた疑いで告発されています。本件に関わるべきではないと思われますが?」
宰相閣下が王妃をじろりと睨んだ。
でもその程度でひるむ王妃じゃない。にっこりと優雅に笑い返した。
「あら、疑いがもたれただけでしょう? 関わりが立証されたわけじゃないじゃない。国政に責任を持つ王妃として、出席する権利はあるはずだわ」
立件されていない以上、自分は無実と言いたいらしい。
「……陛下」
ちら、と宰相閣下が国王を見た。ふう、と国王の口からため息がもれる。
「好きにさせろ。どうせ会議の内容はすぐに王宮中に伝わる」
「……わかりました、まずはこちらをご覧ください」
争っても無駄、と諦めたのか宰相閣下は会議を進めた。大きな紙をテーブルに広げる。
「なんだこれは」
ひと目見るなり、国王陛下が眉をあげた。それらが非常に異質なモノだったからだ。
まず紙質がおかしい。大きいのにペラペラのツルツルで、現代日本で見かけるコピー用紙みたいな質感だ。そして紙の表面に描かれた……というか印刷された画像は、どう見ても衛星写真である。遠く離れたランス領の現状を知るために、神の超技術を乱用したっぽい。
「ランスの状況を調べるために派遣した、特別な使い魔からの情報です」
「そんな技術の報告は受けていないが?」
「つい最近、ハルバード家との共同研究で実現したばかりの技術です。技術の詳細についはご容赦を」
国王陛下はちらりと王妃を見てから、うなずく。
彼女が王宮内で暗躍していること自体は、陛下も把握しているんだろう。敵対勢力にこれ以上情報を渡せないという宰相の判断に従う。
「使い魔の報告によると、ランス領のほとんどの地域に変化はありません。通常通りの生活が続いています。ただ……」
とん、とランス領の中心を指す。
「領主の居城であるランス城が封鎖されています。跳ね橋もあげられ、まるで籠城戦でも始めたかのような様相です」
「なるほど、独立宣言といってもただ城を占拠しただけなのだな。兵力は?」
「不明です。この城の規模ですと……多くて千……」
「おそれながら」
ランス城をよく知るグラストンが口をはさんだ。
「あの城は内部に複雑な構造を持っています。うまく運用すれば、二千は兵士をとどめておけます」
「なら、多めに見積もって二千五百程度か。ここにシュゼット姫とヘルムートがとどまっている、というのは本当か?」
「こちらをご覧ください」
宰相閣下が紙を追加した。
そこにはややぼやけた少女と少年の姿がプリントされていた。こっちはドローンが撮影した写真っぽい。少女の髪色はブロンズ、そして少年の髪色はくすんだ茶に見えた。
「使い魔がとらえた映像です。ぼんやりとしていますが、解析させた結果、シュゼット姫とヘルムートで、間違いありませんでした」
「まったく面倒な……どうしてこのようなことに」
国王陛下のぼやきに、回答できる者はいなかった。
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