頭なでなでを要求する!
「あああああああもう疲れたああああああああ!」
ハルバードの別荘に到着するなり、私はリビングのソファにダイブした。
この後カトラスの金貸し相手に交渉したり、ツヴァイを治療したりとか、いろいろ用件が山積みだけど、今はとりあえず休憩!!
「お風呂の用意を整えますね」
フィーアが早速、メイドのお仕事モードになる。
「フィーアも大変だったんだから、休んでいいんだよ? それに、お兄さんについててなくていいの?」
「兄の治療は、ジェイドと賢者様におまかせする他ありませんから」
「んー、それでも休憩はとってほしいかな」
「しかし……」
「じゃあ、他のメイドさんにお風呂とお茶の用意をするよう伝えてちょうだい。でも、それ以上のお仕事は仮眠をとってくるまで出してあげない」
「……わかりました」
フィーアは一礼するとリビングから出て行った。
律儀な子だから、私が言った通り指示を出してから休むつもりなんだろう。
「ふぁ……」
別荘まで帰ってきて気が抜けたのか、あくびが口をついて出た。
上からフランのため息が降ってくる。サファイアブルーの瞳が心配そうにこっちを見ていた。
「お前も、風呂などと言わずにさっさと寝たらどうだ?」
「いろいろあったから、さっぱりしたいの」
たっぷりのお湯に入って、汚れを落としたい。
特に頭、ダリオがくしゃくしゃにした部分を重点的に洗いたい。
「いろいろか……そうだな」
「でも……がんばったわよね、私」
「そうだな。闇オークションに参加したいと言い出した時にはどうなるかと思ったが……人身売買組織は止められたし、カトラスも……まあダリオがしっかりすれば、立て直せるだろう」
「ツヴァイは、ディッツたちに任せておけば大丈夫だろうし、聖女もカトラスの傘下っていうのがちょっと不安だけど、継母にいじめられてるよりは、ずっといい暮らしができるはずよ」
それに、男装生活で苦しんでいたシルヴァンも、女装生活で苦しんでいたクリスティーヌも、幸せな未来に向かって進むことになった。
あれ? もしかして、思ったよりいい方向に運命が変えられた?
「……そうだな。お前ががんばったおかげだ」
私を見下ろしながら、フランが微笑む。
私もつられて笑って……何かが物足りないことに気が付いた。
「あの……フラン?」
「なんだ?」
「よくやったって……誉めてくれないの?」
「ん? 今評価しただろ。お前ががんばったからだと」
「……でも、なでなでは?」
いつもだったら、大きな手で頭をなでてくれるところじゃない?
放置されると、むちゃくちゃ寂しいんだけど?!
見つめると、フランの眉間にそれはそれは深い皺が寄った。
「……俺がなでていいのか?」
「フラン以外誰がいるのよ」
そう言うと、フランはさらに深いため息をつく。
「俺にどうしろって言うんだ……」
私の頭をなでればいいんだと思うよ?
はい、これで「悪役令嬢海のバカンス編」完結です!!!
「(自分の気持ちに)鈍感系主人公」爆誕!!!
というわけで、フランは薄々気づいているけど、リリィちゃんノー自覚で次章に続きます。
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