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【書籍⑦巻&コミック①巻、12月発売】クソゲー悪役令嬢~滅亡ルートしかないクソゲーに転生したけど、絶対生き残ってやる!  作者: タカば
悪役令嬢は闇オークションに参加したい

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死者こそ救え

「父親を告発しようとしたダリオ・カトラスが、逆に殺される。それが、ご主人様の『予言』なんですね」


 フィーアの問いに、私は頷く。


「私たちは、彼を死なせないために、カトラスに来たの。非業の死を遂げるということは、逆に考えれば、今の彼には生きるべき理由があるってことよ」


 何度か運命を変えて、浮かんできた疑問がある。

 ゲーム内で登場する攻略対象は、確かにみんな有能だ。政治的にも重要なポジションにあり、まさに世界を救うキーパーソンと言っていい。しかし、ゲームに登場する人物にだけ注意していれば、それでいいんだろうか?


 マシュマロボディでのんびりしていたはずの、『最強騎士』と『白百合』。

 暗殺されていたはずの、『宰相閣下』と『優秀な跡取』

 弟子の命と引き換えに死んだはずの、『東の賢者』


 彼らはいずれも、攻略対象と同レベルの優秀な人々だ。

 年齢を重ねているぶん、彼らより強力なカードと言っていい。


 元々彼らの運命を狂わせていたのは、主にアギト国だ。

 アギト国は、ハーティアを弱体化させるために、何十年もかけて優秀な者を排除してきたから。だとすれば、ゲーム開始前に殺されたり、排除された人物こそ、真にアギト国の脅威となる人材だったのではないか。

 そして、近い未来に命を落とす、ダリオもまたそのうちのひとりではないか。


「まだ、仮定の話だがな」

「でも、やってみる価値はあるわ。欲に駆られて人の売り買いをするようなおじさんより、それを止めようとした息子のほうが侯爵にふさわしいと思うもの」

「……ダリオ個人のことはご存知ないのですか?」

「ずっとハルバードに引きこもってたからねえ」


 攻略本にもあんまり情報がないしね。攻略対象だった弟、ルイスの思い出エピソードによると、リーダーシップのある、優秀な人だったっぽいけど。

 しかし、身内の評価ほどあてにならないことは、ジェイドによるディッツ評で証明されている。過信は禁物だ。


「フランも、あんまり親しくはないんだっけ?」

「同じ勇士7家だが、彼とは顔見知り程度の間柄だ。5歳年上のダリオと俺は、やや世代が違う。わかっているのは、そこそこ優秀なことくらいか。……良くも悪くも、現カトラス候が目立っているせいか、関連する情報が少ないんだ」

「キャラの濃い父親のせいで、霞んじゃってるのね。弟のルイスもそんな感じだったなあ」


 ルイスルートで必要とされたのは、高度なカウンセリング力だった。父の暴挙に振り回され、すぐに後ろ向きになってしまうルイスを、ひたすらに励まし続けるのがヒロインの主な仕事だった。ダリオも同じキャラだったら面倒くさいなー。


「俺が暗殺組織にもぐりこみ、ダリオ殺害の指示が出たところで阻止する計画だったが……正体がばれた今、今後どうするかが問題だな」

「メンバーとして中に入り込むのが無理なら、客として入っていくしかないんじゃない? ちょうどおあつらえ向きに、闇オークションに参加する理由も条件もそろったんだから」


 フランが肯く。彼もこの方針に異論はないようだ。


「じゃあ早速準備しなくちゃね」


 私は立ち上がった。

 オークションなんてところに潜入するなら、それなりの恰好をする必要がある。

 忙しくなるぞー!


 しかし、フランは気合をいれている私を猫の子のようにつまみあげると、ソファの上に戻した。


「は?」

「お前は留守番」


 なんでだよ!!!!!



読んでくださってありがとうございます!

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