昼:勉強タイム
「んーじゃ、ガゼル君。この問題は?」
「1+2だから……3ですか?」
「正解です。凄いですね!」
「にぃに!すおい!」
凄いと言いたいんだろうな、多分。 こういうところがモモカの可愛い所だな。将来、俺に向かって反抗期にならないことを祈るばかりだ。
今、俺とモモカはミライ先生に算数を教えてもらえっている。 だが、俺には地球では義務教育を終えている身だ。今みたいな問題なら即答できるが、万が一のことを考えてあえてちょっとだけためてから答えるようにしている。
出来れば、地理と歴史を教えてもらいたのだがこんな子供がそんなことを言い出すと何事だと思われてしまう可能性がある。
…早く終わらないかなぁ、算数。
「じゃあ、モモカちゃん!この問題はどうかな~?」
「1+1だから……3!」
「うーん、ちょっとおしいなぁ~。」
この孤児院の授業で分かったのだが、モモカは算数が苦手みたいだ。
「にぃに、終わったら教えて!!」
「おう、いいぞ!いくらだって教えてやる」
「先生もいるんだけどなぁ…」
閑話休題
俺とモモカは算数の授業を終えて、少し休憩時間に入った。次の授業は、国語なのだがこの星の標準語は日本語と変わらないので、これもまた退屈なのである。
なので、俺は国語をサボって外で年上の子がやっている授業を眺めめていた。
カナデさんが先生をして、メグとカズヤが何やらカナデ先生の話を熱心に聞いている。いままでは、カズヤだけだったけど今日からはメグもこの授業に参加するようだ。
「君達の体の中にある魔力を感じる事が大切なんだよ。ゆっくりと深呼吸をして体の力を抜いてみよう。」
「は~い。」
「分かりました!先生!」
メグとカズヤが返事をしてから、目と閉じて深呼吸をする。
俺はその光景を一瞬足りとも逃さずに見ていた。天界が言っていた魔力の事だ。この話をちゃんと聞いていればいずれ自分も魔法を使えるかも知れない。
「あ~、体の中になんかあるよ~。なんだろ~これ。」
「え、メグわかるの!?全然わかんないよ!」
「この間も言ったけどカズヤは体の力がまだ抜けてないよ。いつも元気なせいなのかね。」
「え~…先生、なんとかなりません?」
「慣れとしか言い様はないんだけどね~例えるなら、寝ている時の感じを思い出しながらすることかなー?」
ふむふむ、魔力を感じるには体の力を抜いて自分の中にある何かを感じとればいいんだな。
よし、これで今日もいい勉強が出来た。この辺りで退散して国語の授業に……
「ガゼル君!!またサボってる!!」
「げぇ!ミライ先生!」
「にぃに!いけない子!」
ひぇぇ……。モモカにまで駄目な子認定やれちゃった…
その後、ミライ先生から説教を10分程受けてからカナデ先生にまた危うく昼ごはんを抜かれそうになりました。