ここはどこ?私は赤ちゃん
どうも、赤ちゃん(自称)です。
おっさんの首を引きちぎった魔物と遭遇して、完全に死んだなって確信したんだけど、こうやって元気に生きています。
正直に言うと、なんで自分が生きているのかすら謎です。 だって、目の前に人を食い散らかす魔物が現れたんだよ? 誰だって「あ、死んだな(確信)」って思うはず。
閑話休題
俺の隣にいた赤ちゃんも無事にまた俺の隣で気持ち良さそうにスヤスヤと寝ています。
良かった。お前も無事だったんだな。
俺ら二人の安全確認も済んだし、そろそろ本題に移りたい。
それは、まずここがどこかと言うことである。
厳密に言えば、部屋の中にいることは分かっている。俺がこの部屋で目を覚ましてから、魔物の事で自分の目の前で人が死んだこと、それで精神的に耐えられなくなって意識が飛んだこと等が、頭の中でフラッシュバックして、吐き気がしたけれどそもそもこの星に来てから何も食べ物を口に入れていない事も思い出す。
そして、今に至る。本題どこへ行った。
おぎゃあああああああ!!!!!!
あーあ、隣の赤ちゃん多分空腹に耐えられずに泣いちゃったよ。俺も空腹で死にそうだけど。
「あ!シュウから預かった子が起きたみたい!ちょっと様子見てくる!!」
「はいはい、行ってやんな。あの泣き方だと、お腹減ってるんじゃないかい?」
「分かった!」
どうやら泣き声でここに住んでいる住人に俺たちが起きたことを気づいてもらえたようだ。
でかしたぞ!お前はきっと将来いい人生を送れるぞ!
そして、会話の後にドタドタと走り回る音がして(時々ずっこける音がした)数十秒後
「お待たせー!ご飯の時間だよ!」
意気揚々と現れたのは、身長は低めでポニーテールが印象的な人だった。年はまだ20代前半といったところだろう。 普通に可愛い。
そして、ポニテの姉ちゃんが隣の赤ちゃんにミルクを飲ませてあげていた。
おぉ、めっちゃ飲んでる。余程お腹が減ってたんだろうな。
「いっぱい飲んだねー!」
そして、赤ちゃんにゲップをさせた後、ゆっくりと赤ちゃんを降ろし、俺の方へ歩み寄ってきた。
「お待たせー!」
遂に俺の番が回ってきた。この世界に来てからの食事!選ばれたのは、幼児食でした。
では、いただきます。…………
げぇぇぇぇ!!! まず!ぬる! 耐えられん!なんだこれ!
やめて! そんな目で見ないで!! しかも、ぐいぐいミルク突きつけてきてるし!! 心の準備が!!!!
「おいおい、嫌がってるじゃないか。何してるのよ、もう。」
「え!?…ごめん、お姉ちゃん」
「あやまる相手は私じゃないだろう?」
「あ……ごめんね、もっとゆっくり飲みたかったよね…」
俺が小さいお腹の中にミルクを入れると、ポニテの姉ちゃんが背中をさすってくれた。
あぁ、いい香りがする…… ゲプッ
ゲップをすると、俺を降ろして、そそくさと部屋を退散していった。
色々思うことはあるけど、いい人達に出会えて良かった。本題は、時間はたっぷりあるしまた今度考えればいい。
何だろう、凄く眠い。もう今日は寝ちゃおう……。