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俺の意識が覚醒してから、かなりの時間が経った。正直言って、かなりやばい気がする。
太陽みたいなのは既に地平線に半分隠れてしまっている。 気温も少しずつ下がってきている。
それに、この体になってから一度もまともな食事をとっていない。そろそろお腹が空腹で悲鳴をあげている。それに加えて隣の赤ちゃんも精神的に限界が来ているのか、さっきからずっと泣き叫んでいる。
まずいな…このままだと本当にここで二人ともバットエンドを迎えるかもしれない。けれどこの体ではどうすることも出来やしない。
くそっ、どうやったらこの状況を変える事が出来る……
と、俺が内心舌打ちをしているとなにやら視界の端っこに小さな明かりが僅かに見えた。もしかすると、さっきから泣き叫んでいる赤ちゃんの叫び声がここの近くを通りかけた人が気づいたのかも知れない。
俺は、その小さな希望に賭けて叫ぶことにした
「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
あああ!!!耳が痛い!! けれど、俺はその賭けに勝ったみたいだ。小さな光が除々に大きくなってゆく。
「おーーい!そこに誰かいるのかー?」
よし!おっさんの声が聞こえてきたぞ!これで助かったぜ…と言うより、まんま日本語じゃねーか!言語に困らなくてほんと良かった。
そして、おっさんが俺ら二人の目の前にやってきた。
「な!?こんなところに赤ちゃんが…!?今助けてやるからな!」
その時、俺は絶句した。もちろんおっさんにではなく
おっさんの後ろにいる巨大な化け物に
おっさんあぶない!と言おうと思ったが、「おぎゃ!おぎゃ!」としか声が出ず、おっさんに危険が迫っている事を伝えれずに、化け物はそのまま近づいてきて…
巨大な図体に劣らない口を開いて、おっさんの頭だけを噛み千切り丸呑みした。
頭のなくなったおっさんの体は、無気力に地面に横たわり、首の根から血だけが溢れていた。
あ………あ………お、おっさ グオオオオオオオオオオオ!!!!
怖い、怖い、怖い、怖い怖い怖い怖い怖い殺される殺される殺される殺される殺される
俺の思考は全て恐怖で満たされていた。人の頭が食いちぎられ、食べられる。自分もこんな殺され方をされるかもしれない。
おっさんの頭を食いちぎった化け物は、大きな咆哮をした後頭だけでは、食い足りないのか血で溢れかえっているおっさんの体をむしゃむしゃと食べ始めた。
最初は両脚を引きちぎってから、次は両手、その次は内臓。
化け物が俺の目の前でもはや原型を留めていない人の体を大量に血を撒き散らしながら食べている間、俺はもう何も考える事が出来なかった。
耳に聞こえてくるのは、化け物が人間を食べる時にする音と、それと一緒にする血が溢れかえる音だけ。
もし、この化け物がこれを食べ終わったら次は俺達だ…。
俺はただそうならないよう願う他なかった。
そして、太陽が完全に沈んでからしばらく経った後、遂に化け物が目の前のものを食べ終わった。
グオオオオオオオオオ!!!!!
化け物の目線は完全に俺達の方へ向いている。
終わったと思い、目をつむりその時を待っていた。
だが、その時は一向に来なかった。
さすがにおかしいと思い目を開けた途端、大量の血が視界を多い尽くした。
それに俺は耐えられず意識を失ってしまった…。
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「やーっと仕留めたぜ、このお尋ね者め。」
俺は三日かけてこの逃げ足の速い魔物を倒した。ここ最近、近くの村を襲い、こいつを倒してほしいと依頼がきたのだ。
その依頼の報酬はかなり高かったので即引き受けたのだが、こんなにも時間がかかってしまった。
「さっさと討伐した魔物からいろんな所から剥ぎ取るか…」
そうして、腰につけていた剥ぎ取り用の短剣をとりだし、仕事を終わらせようとした時。
「…ん?なんでこんな所に赤ん坊がいるんだ?」
俺の目にみえたのは、この魔物の返り血を大量に浴びた二人の赤ん坊だった。どちらの赤ちゃんも意識がない。このまま放って置けば、確実に死んでしまうだろう。
「最近の両親ってのは、物騒なもんだな」
と、魔物から剥ぎ取った物を自前のバッグに入れてから、二人の赤ん坊を丁寧に抱きかかえた。
「しゃーない。あいつんとこもってくか」