表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/7

hello,異世界

あ、どうも。異世界にきた人です。

いやー、異世界ってほとんど地球と変わらないですね、たまに遠くから獣らしき鳴き声(?)を除けば。 でも、凄く緑豊かで空気がおいしいです。ここで暮らしていくのが楽しみですよ、ほんと。


さぁさぁ、名無し君の人生がはじまるでざますよ!……え?何で名前が名無しかって?



いやー、よくよく考えたら記憶ないから自分の名前も覚えてないんだよね。だから、他人に考えてもらおうと思うんだよ。

え、自分で考えればいいじゃんって? 確かにそうなんだけどさ。



今俺赤ちゃんなんだよね。 天界が新しい体造ってくれるとは言ってたけど、てっきり高校生ぐらいの体用意してくれると思ってたからさ、赤ちゃんとはこれっぽちも考えてもなかった。だから、自分の思い通りに体は動かないし、声もまともに出なかった時はめちゃくちゃ焦った。

まぁ、てな訳で今は名前要らないから保留とする。


後、予想してなかった(出来た方が凄い)事が二つほどある。


まずひとつめ。

「おぎゃぁぁぁぁ!!!!」

今の泣き声僕じゃないよ?じゃあ、誰だって? 聞いて驚け!



俺の隣にいるもう一人の赤ちゃんです!!!

おかしいよね、これ。普通、異世界から来たら隣に赤ちゃんっている?いないよね。

そもそも俺が異世界から来たってところがすでに普通じゃないから何もいえないけど。


「おぎゃぁぁぁぁぁ!!!!おぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!!」

後、さっきからずっとめっちゃ隣で泣いてるんてるんですけど!! 泣きたい気持ちも分かるけどさ!!


そして、泣きたい気持ちも分かってしまうのが二つ目の理由。

俺の意識が覚醒したときから、一歩も動いてない(まず動けない)んだけどさ。



ずっと外います。まだ太陽らしき光(見た目はまんま太陽)があってまだ暖かいからいいけど、このまま夜に突入したら俺はともかく隣の赤ちゃん多分死んじゃうぞ、これ。

あ、俺も赤ちゃんだった。 俺も死んじゃうじゃん。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





意識が覚醒してからおおよそ三時間(多分)

隣にいる赤ちゃんが泣き疲れたのか、今はスヤスヤと気持ち良さそうに寝ている。

その間に俺は、何故隣の赤ちゃんと一緒にいるか、何故外に放り出されたかを考えていた。


結果、三つの説が俺の中で生まれた。



一つ目は、隣の赤ちゃんも俺と同じでこことは違う世界から来て、天界に体を用意してもらって魂だけをぶち込んだ説。

だが、この説はまずないだろうと思った。なぜなら、俺がここへ来る前で聞こえてきた声は『お前はイレギュラーな存在だ。』と言われたからだ。


まだ地球とこの星以外に人間が住んでいるかも知れないが、これ以上現実離れした話は頭が痛くなる。

なので、この説は没。



二つ目は、俺と隣の赤ちゃんは実は双子で、なんらかの理由で捨てられた説。

これなら俺とこの赤ちゃんが一緒にいる説明がつくが、これにも少し無理がある。


それは、声が『天界が新しい体を造る』と言ってきたからだ。だとしたら、俺と隣の赤ちゃんが一緒にいる説明がつかない。

うーん、この説は可能性が低いけど万が一のため保留。


そして最後の説が、捨てられたのは実は隣の赤ちゃんだけで、俺は後から来た説。

正直、この説が一番可能性が高いかも知れない。 俺の勝手な予測だけどね。

これがもし本当なら、成仏したときに天界に文句を言ってやろうか。


これらが、俺が時間をかけて考えた説だ。まぁ、全部可能性としては低いけど。




「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

そんなことを考えていると、寝ていた赤ちゃんが目覚めてしまった。


あぁ……これから先どうなるのか。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ