イノブタ
評価ポイントを付けて下さった方、ありがとうございました。
文章の方、もう一度見直して、訂正をしてみました。
少しでも読みやすくなっているといいです。
これからも、よろしくお願いします。
町に向かう前にしないといけないこと。それは、イノブタの解体です。
みんなで解体をすると行き成り襲われて危ないので、ダイアンが盾を持って警戒をしています。
魔法使いのお姉さんも、ダイアンのいる反対側をチェックしています。
金髪は、今だ地面に埋まっています。なぜか誰も助けようとしません。
「これ、なんでイノブタという名前なんですか?」
疑問を解決すべく尋ねると、解体中のヒャトから懇切丁寧な答えが返ってきました。
「いのししは、人より少し大きいぐらいだし、豚はその半分の大きさ。だが、まれに豚でいのししサイズにまで大きくなるものや、いのししなのに豚のサイズしかないものが生まれたりしてね。そいつらがチョメチョメして生まれるのがイノブタさ。つまり、いのししと豚の間に生まれるからイノブタなのさ。なぜかこのイノブタ。あり得ない程大きくなるし、能力は桁違いにあがるし、さらに食欲はいのししや豚より10倍に跳ね上がると来た。下手をすると、小さな村だと一晩で消えてしまうぐらいの害獣でな、今回も3つの村がこのイノブタにやられて消えている。だからイノブタは魔獣でもないのに討伐ランクは、星8こだ」
「星?」
「お前・・・、いや、まあいい。星っていうのは、冒険者のランクのことで、初めは、星1こから始まる。そして依頼をクリアするごとに星が増えていく。最終的に星12こが最高ランクだ。それと同じように魔獣や動物などにもランクがあり、こちらも一番強いもので星12ことなっている。イノブタの討伐ランクは、害獣の中では一番高い星8こ。俺たちのチームは星10こで、イノブタより当然2こ程ランクが上だし、一応世界でもトップに入るぐらいには強い。今回は、あのバカがへまをして逃げられたからこんなことになったが、本来は余裕でクリアできる筈だったんだ」
ぶつぶつ文句を言いながら解体を続けるヒャト。なるほど、へまをしたのはあの金髪ですね。だから埋まっていても誰も助けない・・・。わかってみると、成程でした。
しかしこのイノブタ、本当に大きいのに1人で解体をしていては時間がかかるし、大変で・・・・・・・しょ・・・う。
へっ? 解体始めてから、まだそんなに時間たっていないですよね?
驚きです。いつの間にか、牙は取られ、皮は剥がされ、肉はブロックになっていました。
「さあ、これで解体は終わったな。今回は、皮に傷がないので何時もより早くすんだし、これなら高く売れそうだ」
「それは良かったです・・・」
「おーい。解体終わったぞ。ダイアンとサアラもマジックバックに収納頼む」
どうも、金髪以外はマジックバックを持っているようです。
なぜ金髪だけ持っていないのか解りませんが、金髪だけにどうでもいいでしょう。
「ちょっと早いけど、お昼ごはんにしない?」
そう言ったサアラのお腹が、ぐぅ~と鳴りました。つられて、私のお腹もぐるる~となっちゃいました。
「そうだな。せっかくだから、イノブタを焼いて食べるか」
「やったー!」
サアラが飛んで喜んで、何気に私に抱きつきます。それを、ヒャトがべりっと剥がします。
そして、金髪はまだ復活していません。
??????
如何になんでも、可笑しいです。
「あっ。そいつ、眠りの魔法をかけているから、とかない限りそのままよ」
じーと金髪を訝しげに見ていると、驚きの事実をサアラが教えてくれました。まあ、彼は邪魔なだけなので、問題ありません。というか、鬱陶しくなくていいかも。
ダイアンとヒャトがてきぱきとご飯の準備をしています。
サアラと私は、それを眺めています。でもこれって、逆じゃない?
二人が作ったイノブタの料理は、結構手が込んでいて美味しかったです。
私は決めました。料理の練習をします。そして、何時かダイアンに食べてもらうのです。
『所帯じみたモノを作るのは許さないからね。作るならお菓子よ。いい、お菓子よ』
頭の中で女神様の声が響きました。ちょっと待って、プライバシーは?
『たまたまよ』
ぜんぜん安心できません。でも、念願の女の子にしていただいた上に、これ以上は罰が当たるかな? ダイアンは、元男と解ったら恋人にしてもらえなくなるかな?
なんだか、泣きたくなります。
以前はこんなことなかったけど、これが女の子ということなのかな?
私にはよく解りません。