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私は、女の子です  作者: 檪井青
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盗賊とジャッカロープ

遅くなりました。ごめんなさい。

魔法の呪文とジャッカロープの名前に迷いました。

『家』から恐る恐る顔を覗かせると・・・?


 そこには、死闘が広がっていました。


 ???


 いったい何事でしょう?


 小首を傾げて考えても、当然解りません。


 でも、このまま呑気に構えていたら危ないのは確かです。


 なぜなら、私の足元1センチ先を、炎の魔法が飛んできました。


 つつつー(-_-;)


 冷や汗が、頬をつたいます。


 「あっ! あんたようやく出て来たわね!!」


 サアラさんが、怒りマークを付けて怒鳴っています。そして、怒鳴りながら、風の魔法を放っています。その魔法の先にいるのは、どう控えめに見ても悪人面です。盗賊なのでしょうか? 


 いったい、何時からこの戦いは始まっていたのでしょう?


 ダイアンも左手に盾を構えながらを、右手に持った斧で相手を蹴散らしています。ですが、何分にも相手の数が多すぎです。こちらが4人なのに対して、向こうは38人です。


 皆だんだん疲れも出てきているようなのでこのままでは遣られてしまう可能性が高いです。


 今の私に出来ることは何なのでしょう?


 「ギザン!! た・大変なの」


 『家』に駆け戻って叫びます。その私の声に重なってヒャトが「あぁ~。お前何また『テント』に入ってんだー!!」と言っていますが、今の私はそれどころではありません。早く助けないと、愛しのダイアンが死んじゃいます。


 遠目で見えたダイアンの左腕には、血がついていました。盾で防ぐ時、その怪我が酷くなっていっているようです。出る血の量が増えていってます。


 「まずは、お水をどうぞ」


 慌てふためく私に、落ち着きまくっているギザン。もう、お水なんてどうでもいいのよ! と思いつつ、コップを受け取って飲み干す自分・・・。あれ? 凄く美味しい!! これただの水だよね?


 「冷静になられましたか?」


 「はい。なりました」


 ありえない出来事に咽喉ががらがらで、声がかすれていたことを自覚しました。


 「実は・・・、昨日の冒険者が、約40人ぐらいの盗賊に襲われていました。あっという間にやっつける方法があったら教えて」


 「一日一回、なんでも叶えてくれる魔法のステッキがあったと思いますが?」


 あー!! そうだった。あれなら瞬殺だよ。


 使い方わっと・・・。O・K。


 では参ります。魔法のステッキ出てらっしゃい。


 ぽぽぽ~ん。


 前回、取り出して使用はしていないので、行き成りの本番です。大丈夫か不安ですが、実験することはできません。魔法のステッキの効果は一日一回です。失敗は許されません。


 どっき どっき します。


 もう一度、外に出てみると、かなりやばいことになっています。


 魔法のステッキを右手に持ち、空高く掲げ「ぱぴぷぺぽぽぽ 盗賊を拘束して檻の中に閉じ込めて」


 某魔女っ娘のように、辺りがキラキラと輝くと、一瞬で檻ができて、その中には拘束された盗賊たちがいました。


 『命の輝き』の冒険者の4人とも、ボー然と突っ立ってます。


 ダイアンは、無事でしょうか? 確認しようとした時、どさっと音がしました。ダイアンが盾を落とした音でした。


 盗賊に襲われる心配がなくなって、ほっとしたとたん、左手の力が抜けたのでしょう。


 「ダイアン!」


 サアラが、ダイアンの所に駆けつけて回復魔法を掛けているようです。


 悔しいです。とーても悔しいです。


 その役は、私がやりたかったです。でも、私には回復魔法が使えません。「私がします」とは、ぜー体に言えないのです。


 だから決めました。根性で回復魔法を最速で覚えてやります。覚えてらっしゃいサアラ~!!


 熱く燃えていますよ~。目から炎です。


 めらめら~!!


 なんだか、不吉な視線を感じます。つつー。


 視線の先に居たのは、ヒャトでした。


 「あの『テント』は、いったいなんだ。どうやっても、中に入るどころか近づくこともできなかったぞ。それから、さっきの魔法も見たことも聞いたこともない。服も、昨日とは違うよな? 普通、そんな上等な服を旅の途中でぽんぽんと着替えたりするものはいない。何よりも、なんで『テント』の中にまた入った」


 うっ・ううう~。やばい やばい


 まずいですぅ~。どうやって誤魔化せばいいのでしょうか?


 「ヒャト。もう済んだことだ」


 「何を言っている。こいつがすんなり起きて逃げれれば、ここまで危険な目に合わなくて済んだんだぞ。それに、せっかくのジャッカロープも・・・」


 「ジャッカロープ・・・」


 つぶやきながら、辺りを探しましたが、壊された『命の輝き』チームの『テント』が無残な姿で散乱しているだけで、肝心のジャッカロープの姿がありません。


 「あの・ジャッカロープはどうなったのでしょう?」


 私はサアラに尋ねました。サアラは、壊れた『テント』の残骸の下からジャッカロープを取り出しました。


 「残念だけど。眠りの魔法中は他の回復魔法が効かないの。それにジャッカロープは、魔法の耐性スキルを持っていて、解除してしまうと同じ魔法にはかからなくなってしまうの。死んだら価値は物凄く下がるけど、お金になる。でも、眠りの魔法を解いて回復魔法を掛けて命を助けたとしても、ジャッカロープを捕まえておくことができなくなるので、一銭にもならない」


 「まさか・・・、ジャッカロープをこのまま殺すの?」


 「殺すんじゃない。死んでしまうのをそのままにするだけだ! そもそも、きさまが何度叫んでも出てこないから逃げることができなくてこうなったんだ。そんなお前に言われたくない」


 ヒャトが、怒りを隠そうともせずに私にぶつけてきます。今は、こんなゴスロリの可愛い女の子ですが、もともとは男です。これぐらいの怒気には、脅えたりしませんが、悪いのは自分だとわかっているだけに凹みます。


 今にも涙が零れそうです。


 『上を向いて』学校の音楽で習いましたが、上を向くのは難しそうですし、どうすればこの涙を止められるのでしょか? そもそも、私はこんなに涙もろかったでしょうか? いえ、泣くことなんてなかったです。男は泣くものではないと父親に教えられてきたのもあるかもしれません。


 ああ、これまで我慢してきた分の反動が出ているのかな? 

 せっかく、ジャッカロープを譲って貰ってペットにしようと思っていましたが・・・?


 あれ? そういえば、ジャッカロープをペットにして、飼おうと思っていたのですよね・・・。


 「あの・・・。そのジャッカロープを、私に売って下さい」


 ふうぅ。溜息をついたのは・・・、ダイアンですね。もしかして、駄目だったでしょうか?


 「弁償ならいらないよ。先にイノブタを譲って貰っているしね」


 「ち・違います!! 私、使役スキルを持っているんです。だから、ジャッカロープを飼いたいと思っていて、今朝なんて話そうか迷っていたのです。お願いします。サアラさん。ジャッカロープの睡眠魔法を解いて、回復魔法で治して下さい。そしてらすぐに使役スキルを使ってみます」


 「O・K。」


 サアラさんが、またもや他の人の意見を聞く前に魔法を解いて回復を掛けてくれました。死にかけていたジャッカロープは、あっという間に元気になって逃げようとします。


 「使役スキル」


 私は、すぐさまジャッカロープに使役スキルを発動。


 どきどき 大丈夫かな?

 

 祈るような気持ちでジャッカロープを見ます。


 ふと、頭の中で『ジャッカロープが使役されました。名前を付けますか?

 yes/no』


 と表示されました。もちろん、すぐにyesです。名前は、ホープです。


 サアラの腕の中に居たジャッカロープことホープは、飛び跳ねて私の腕の中に飛び込んできました。


 やったー!! ジャッカロープゲーット!!



 



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